兵庫県

平成10年度〜平成13年度
拠点機関
(財)新産業創造研究機構

科学技術コーディネータ 
松井 繁朋 
活動方針 新産業創造のため、シーズ収集(TLO)から技術開発(研究所)、事業化(TTC)まで、上流から下流に至る一貫した連続支援体制を確立し、地域の産業振興に繋げました。兵庫県下22大学を中心に各種研究会、可能性試験を実施して、新技術開発に積極的に取組みました。
可能性試験の成果

就労用・在宅自立用電動車椅子
研究シーズ/ 中嶋 勝己((財)新産業創造研究機構)、浅田 春比古(MIT)
実施機関/ (財)新産業創造研究機構、川崎重工業(株)
障害のある高齢者の社会参加(就労)や自立生活支援を目指した全方向移動可能な電動車椅子です。兵庫県立福祉のまちづくり工学研究所などでの高齢者や障害者による実証試験を通して、狭所での移動に適した球車輪機構、障害者に適した椅子部、操作性の良い操作機能とコントローラを試作・開発しました。その結果、事業化を希望する兵庫県下の中小企業に技術移転し、商品化試作を実施中です。小回りのきく作業台車としての用途としても期待されています。
ウェアラブルセンサー
研究シーズ/ 桂川 敬史((財)新産業創造研究機構)、浅田 春比古(MIT)
実施機関/ (財)新産業創造研究機構、川重テクノサービス(株)
リング形状で光センサーを使って指から脈波(脈拍の波形)と飽和酸素濃度を検出することにより、常時装着して動き回れ、24時間モニター可能なモバイルセンサーを試作・開発しました。本センサーは、検出部と10円玉大の基板サイズでアナログ処理部、CPU、送信部を備えたセンサー、および家庭内情報端末として使用できる受信部から構成されています。加速度センサーを保有する長野県の中小企業に技術移転し、健康・安心確認用の複合センサーの実用化を目指しています。
高齢者向けインタラクティブ情報端末
研究シーズ/ 桂川 敬史((財)新産業創造研究機構)
実施機関/ (財)新産業創造研究機構、(株)新陽企画
高齢者、障害者等の情報弱者が、マウスやキーボードなどの入力装置を使わずに自筆でメール交換ができる情報端末とソフトウエアを試作しました。高齢者にも見やすいよう色づかい等にも配慮したので、リハセンターでの実証試験でも好評でした。
ネットワーク構築
クッキングオイル(廃食用油)回収装置
研究シーズ/ 松井 繁朋((財)新産業創造研究機構)
実施機関/ (財)新産業創造研究機構、兵庫県中小企業家同友会
汚れ易く取扱いが厄介な廃食用油を安全に効率良く回収するため、回収協力者を特定するカード(ポイントカード)システムを組み込み、安全で設置場所周辺を汚さない、屋外に設置が可能な専用回収装置を試作・開発しました。本試作・開発と併せ課題であった廃食用油を燃料とする空調機及びシステムの開発を、引き続き兵庫県の支援制度により実施中であり、早期実用化を目指しています。
兵庫の研究者と研究ポテンシャルのデータベース化
県内にある自然科学系の大学・高専・公的研究機関の研究者・研究内容・産学連携の実績・特許等の情報をアンケートを中心に、一部既刊の教員総覧を利用して、報告書およびCD−ROMにて公開しています。
土壌問題研究会
最近、問題が顕在化している工場跡地等、市街地の土壌汚染について、社会システムと浄化技術の両面からそれぞれWGで学識経験者や企業(オブザーバーとして行政)が一体となって、問題解決の方向を探ってきました。WGでは、法制度の整備が遅れていること、現在の環境基準では浄化の経済的負担が大きく逆に浄化が進まない等の問題が議論され、実際の健康リスクに応じた対応が必要であること等が討議されました。また、実際の健康リスクを評価するためには、正確な汚染土壌の評価手法が必要であるとの認識から、京都大学森澤教授の研究室で「重金属土壌汚染地域の定量的評価手法の開発」を行っていただき、3次元の汚染の広がりを定量的に評価できるようになりました。
エコマテリアル海上輸送研究会
家電リサイクル法に対応して海上輸送によるコストミニマムで利用しやすい静脈物流システムの構築・検討を行いました。別途、交通エコモ財団の支援を受け海上輸送実証試験も実施しました。これらの知見が、中古自動車リサイクルの事業化に発展し、新会社設立に至りました。
 
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