福井県

平成10年度〜平成13年度
拠点機関
(財)福井県産業支援センター

科学技術コーディネータ 
山口 拓治 
活動方針 科学技術創造立県を目指す「福井県科学技術振興指針」に基づき、地域の産業特性を基盤とした、難加工性材料加工、機能性薄膜材料、生体機能材料等の新材料創成・加工分野の独創的研究開発を企画・促進し、独創性と活力あふれる地域社会の創造を推進しました。
可能性試験の成果

ニッケル水素電池用負極電極
研究シーズ/ 高島 正之(福井大学 工学部)
実施機関/ 清川メッキ工業(株)
水素吸蔵合金粉末上に複合メッキ皮膜を形成して焼結し、高容量、長寿命、メンテナンスフリーな新規の焼結体電極を作製しました。この電極は、放電電流密度が高いこと、Mnの溶出量が少ないことから、従来の電極に比べて、約2倍の容量、寿命を有します。
焼結体電極
FRP製ユニットバス表面で発生する
「ぬめり」除去に関する研究
研究シーズ/ 荻原 隆(福井大学 工学部)
実施機関/ アリス化学(株)
ユニットバスの「ぬめり」を除去するために、浴槽のゲルコート層に半導体超微粒子(酸化チタン)を充填し、浴室等の光源を利用した光触媒反応により「ぬめり」の分解を試みました。その結果、超親水性の出現により、水垢が除去されました。その際、酸化チタンのアナターゼ相への結晶性が高く、且つ、サイズが大きいほど、水垢の分解効果は大きいことが見出されました。
超臨界染色したポリプロピレン
研究シーズ/ 堀 照夫(福井大学 工学部)
実施機関/ (株)ミツヤ
研究用超臨界流体染色装置を開発し、これを用い、各種繊維内に染料およびモデル化合物を注入しました。これにより、従来不可能であったポリプロピレンが染色できること、繊維の膨潤のため注入が短時間内で終了すること、注入が分配則に従うことなどが明らかとなりました。
 染色結果の例
絹蛋白質セリシンの遺伝子組み換え技術による製造可能性試験 
研究シーズ/中森 茂(福井県立大学 生物資源学部)
実施機関/セーレン(株)
新規の機能性バイオ素材として期待できる絹タンパク質セリシンの遺伝子組み換え技術による製造試験に関する研究をきっかけに、セリシンの脱水ストレス保護機能や細胞増殖促進機能などを見出しました。これらの研究成果を応用し、セリシンを配合した新たな化粧品「コモエースSA」を製品化しました。
開発製品 コモエースSA
ドライ環境対応超強靱複合膜の開発
研究シーズ/ 安丸 尚樹(福井工業高等専門学校)
実施機関/ (株)ホリカワ
気相コーティング技術を用いて、Cr-Ni-N系新規超強靱セラミックス膜の成膜条件を確立しました。さらにこの皮膜上にDLC膜を多層化し、固体潤滑機能を有する超強靱複合膜を作製しました。また、この表面改質技術は、難加工材のTi系眼鏡枠用プレス金型に応用したところ、優れた離型性を持ち、耐久性が従来の4倍に向上しました。
TiNi眼鏡枠用金型
医療福祉衛生のための生物資源利用新規人工皮膚膜の開発
研究シーズ/ 櫻井 謙資(福井大学 工学部)
実施機関/ 日華化学(株)
生物資源キチンと単純な絹蛋白質からバイオミメティックなハイブリッド型の新規人工皮膚膜の開発に取り組みました。キチン誘導体/絹タンパク質複合膜を任意の組織比で構築できました。また、動物試験により装着快適性や細菌感染予防効果を認めました。
人工皮膚膜ラット試験
超音波を用いた染色廃液からの染料分解・脱色システムの開発
研究シーズ/榊原 三樹男(福井大学 工学部)
実施機関/セーレン(株)
超音波の持つ特異的な現象であるキャビテーション由来の化学作用を利用して、染色廃液からの染料を分解・脱色する超音波分解装置の開発をしました。この装置は、染料を効率的に分解できるばかりでなく、その処理速度も速く、また染料以外にも環境ホルモンが疑われる難分解性物質の分解にも有効であることが明らかになりました。

染料の分解・脱色例
ネットワーク構築
(財)福井県産業支援センター
県内理工系大学等の研究者データを閲覧できるほか、産学官連携についての最新情報を発信しています。
県内の研究者や技術者に対して、県内大学等の研究シーズ情報の提供と活用できる技術・研究開発支援制度に関する情報提供を行っています。
 
地域の紹介へ戻る