長崎県

平成9年度〜平成12年度
拠点機関
(財)長崎県産業振興財団

科学技術コーディネータ 
平山 和次 
活動方針 長崎県科学技術振興ビジョンに基づき、「科学技術立県」の実現のため、木目細かな研究情報ネットワークの構築、産官学連携強化、長崎ならではの科学技術と企業技術の進展と研究開発を支援しました。
可能性試験の成果

植物栽培による生活排水のリサイクル
研究シーズ/ 石崎 修造(長崎県衛生公害研究所)
実施機関/ 長崎県衛生公害研究所、(株)琴花園長崎、(株)ジャパンアクアテック、(株)シモダアメニティサービス、(株)MHIマリテック
農業集落の汚水を温室栽培の樹木苗木のかん水に用いることにより、汚水中に含まれる窒素やリンを安全かつ低コスト・低エネルギーで植物により回収し、閉鎖性水域等の富栄養化防止に役立てる技術を開発しました。本技術開発は農林水産省自然水質浄化機能活用実験事業に採用され、発展的に研究継続中です。
生体表出信号を利用する福祉用コンピュータインターフェイス
研究シーズ/ 高見 修(長崎県工業技術センター)
実施機関/ 長崎県工業技術センター、長崎大学 工学部、宇部工業高等専門学校、(株)日本ビジネスソフト
重度身障者に残存する意思表出機能である眼球運動、頭部運動、脳波、筋電位による生体信号を抽出し、コンピュータ・インターフェイスへ応用します。特に、眼球運動を用いた信号抽出は開発済みの装置に組み込み実用試験中です。研究成果は九州北部3県連携研究事業(地方自治体の連携研究制度)に採択されさらに応用展開を図っています。
伝統食品“フグの肝(きも)”の復活
研究シーズ/ 野口 玉雄(長崎大学水産学部)
実施機関/ 長崎大学 水産学部、長崎県漁業協同組合連合会
最新のフグ毒解毒法の開発と養殖トラフグが無毒であるとの最近の知見を踏まえ、昭和58年の厚生省通達により、廃棄を余儀なくされていた“フグ肝”の伝統食品としての復活を図ります。養殖フグの無毒性の徹底検証と実用的フグ肝解毒法を開発します。研究成果は(財)金子岩三奨学財団の水産振興事業研究より助成を受け、研究開発中です。
アルギン酸分解物の食品・薬品素材への応用
研究シーズ/ 渡邉 正己(長崎大学 薬学部)
実施機関/ 長崎大学 薬学部、長工醤油味噌協同組合
陸上生物では分解不能なアルギン酸を分解する海洋細菌を発見しました。それらの細菌からアルギン酸分解酵素を単離精製し、アルギン酸分解生成物が培養癌細胞の増殖能・転移能を抑制するなどの生理活性を持つことを細胞レベルで見いだしました。マウスモデル系で発癌抑制・免疫活性化効果の発現を調査し、食品素材・薬品素材としての利用可能性を検討しました。関連特許2件申請中です。
ネットワーク構築
水産加工残滓の生物学分解と、その分解物の養殖魚用餌料化
研究シーズ/ 斎藤 宗久(長崎県工業技術センター)
実施機関/ 長崎県工業技術センター、長崎大学 水産学部、長崎市水産センター、長崎漁港水産加工団地協同組合、(株)フジワラテクノアート
水産加工場から加工残滓が多量に廃出され、一部は魚粉に加工され家畜の飼料や肥料として使われています。この魚粉を発酵処理して、養殖魚の餌料化を図りました。その結果、良好な結果が得られ、量産発酵プラントを作ってハマチの養殖を行い、薬剤無添加のブランド魚として出荷しています。
バイオパワーを使った海洋環境保全技術
研究シーズ/ 鈴木 啓司(長崎大学薬学部)
実施機関/ 長崎大学 薬学部、同地域共同研究センター、長工醤油味噌協同組合
長崎大学を中心に構築している海洋微生物ライブラリーに登録した株を基に、赤潮プランクトンの一種Chattonella marinaに対して強力な殺藻性を示す細菌を見出し、殺藻メカニズムの検討、種の同定を行いました。現場での適用に向けてさらに検討を進めています。
人工気象器内でのシャトネラの培養 殺藻細菌のスクリーニング
大学等の研究室公開
長崎大学の各研究室に企業技術者10名以内を半日招き、教授、教官、大学院生より研究室の研究内容を実験台脇で説明を受けます。毎年10〜15研究室を実施しています。
産学官連携支援室の開設
長崎県、長崎大学と協力して、(財)長崎県産業振興財団内と長崎大学地域共同研究センター内に産学官連携支援室を開設し、産学官連携による新事業・新産業創出へ向けた活動を行っています。
 
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