三重県

平成9年度〜平成12年度
拠点機関
(財)三重県産業支援センター

科学技術コーディネータ 
野田 宏行 
活動方針 三重県が次世代の発展分野と見定めた環境、情報・通信、健康・福祉、海洋、集客・交流に各種先進技術を加え、産学官ネットワークを充実・強化し、そのために必要な人材、資金、情報をコーディネートして新産業創成を活性化するよう努めました。
可能性試験の成果

カーボンナノチューブの電子源への応用
研究シーズ/ 斉藤 弥八(三重大学)
実施機関/ 伊勢電子工業(株)
カーボンナノチューブは電子放出特性に優れ、表示デバイスとして応用可能であることを証明しました。ランプ型素子は世界で初めて実用化され、この技術をもとに蛍光表示管に応用した開発は「11年度科学技術振興事業団独創的研究成果育成事業」に採択され、現在実用化開発中です。一方、大型画像表示パネルに応用する目的で、「11年度から3年間の計画でNEDOの産業技術実用化開発助成事業」にも採択され、現在研究・開発中です。
植物リグニンによる新素材
研究シーズ/ 舩岡 正光(三重大学)
実施機関/ (株)マルトー、(有)エース設備
木質廃棄物からフェノール系リグニン素材を調製し、化学合成工業素材として利用活用を図っています。本研究は「平成11年度独創的研究成果育成事業」を経て、平成11年度戦略的基礎研究推進事業「植物系分子素材の高度循環活用システムの構築」に採択され、研究を推進しています。
鉛を含まない接合材
実施機関/ 三重電子(株)、ピアテック(有)、ユケン工業(株)
異業種3社で、各社のシーズを組み合わせて樹脂微細粒子を化学合成した後、微細メッキ処理を施し、これに熱硬化性樹脂を配合して膜状化し、電子部品(半導体)等実装用接合材を開発しました。これにより、鉛を含む半田を使用せずに部品実装が可能になり、また対環境に適し、電子部品電極の微細ピッチ化に適応できる接合材の可能性が得られました。本研究はNEDOの「平成11年度ベンチャー企業支援型地域コンソーシアム研究開発推進事業」に採択され、実用化に向けて研究を実施中です。
機械装置の低振動化・低騒音化
研究シーズ/ 水谷 一樹(三重大学)
実施機関/ 神鋼電機(株)
半導体ウエハなどの搬送台車への適用を目指したハイブリッド除振装置について開発研究を実施し、小型実験装置を試作して検討しました。提案したハイブリッド除振機構は実機でも満足できる制振性能を有することが確認できましたので、現在実機に適用するための改良を行っています。
ネットワーク構築
ティータ&フェザー機構付きパッシブ制御風車
研究シーズ/ 清水 幸丸(三重大学)
実施機関/ (株)ヒラマツ
ティータ&フェザー機構付きパッシブ制御風車は、風車翼に作用する流体力を利用し、ブレードを下流へ傾けます。この傾く動作と風車翼のピッチ変化を連携させ、過負荷時のブレーキを受動的(パッシブ)にかけます。本機構により、これまでの可変ピッチ制御が不要になり、コスト低減が達成され、さらには風車装置全体のメンテナンスフリーに一歩近づきましたので、実証実験機を試作して研究中です。

出力30kWティータ&フェザー機構付パッシブ制御水平軸風車

パッシブ風車用ハブ
(翼取付部分)
ゼロエミッションビークル(ZEV)用燃料電池の低抵抗化
研究シーズ/ 中村 修平(三重大学)
実施機関/ クレハエラストマー(株)
固体高分子燃料電池(PEFC)に使用されるガス流路を形成した集電体は硬くて厚いカーボン板です。これをゴム弾性を有する集電体にすればPEFCを極めて小型化できます。EPDMゴムからなる集電体は、カーボン板である集電体に比べて、数倍の低抵抗率化に成功しました。さらに、超低抵抗化に向けて研究中です。
技術データベースの整備
作成した企業技術シーズ・ニーズの調査に基づくデータベースのうち、統計的な資料は広く紹介し、詳細な技術的内容については公開しませんが、シーズと結合する際に探索の資料として存分に活用されています。
研究者人材データベースは絶えず改訂されることから、企業者からの欲しい情報を要望して、大学などが作成したものを企業者が頻繁にアクセスしています。
テクノ・ジョイント研究会
産学官15名で構成される研究会で、専門の枠をこえてシーズ・ニーズの掘り起こしと有機的な連携をコーディネートし、先進的な新分野のネットワークを構築します。
 
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