福岡県

平成8年度〜平成10年度
拠点機関
(財)福岡県産業・科学技術振興財団

科学技術コーディネータ
齋藤 省吾
活動方針 RSP事業を活用し、新しい技術シーズを発掘し、プロジェクト立案に結びつけ、地域結集型共同研究事業の成果をあげるべく支援しました。工業技術センターのさらなるレベルアップをはかり、将来のCOE形成に結びつけ、県カタライザー制度との連携をはかり、地域の中堅及び中小企業の振興をはかりました。科学技術振興事業団が管理する特許の実用化促進をはかりました。
可能性試験の成果

白血病細胞及び子宮ガン細胞を破壊するBT菌株
研究シーズ/ 水城 英一(福岡県工業技術センター 生物食品研究所)
実施機関/ 福岡県工業技術センター 生物食品研究所
1901年、日本人研究者石渡繁胤によってカイコの病原菌として発見された細菌Bacillus thuringiensis(BT)は人体や環境に安全な微生物殺虫剤として、これまで30年以上にわたり世界各地で使用されてきました。1996年当研究所と九州大学が共同で、殺虫活性を持たないBTがヒトのガン細胞を破壊する能力を持つことを発見しました。写真は白血病細胞及び子宮ガン細胞を破壊するBT菌株です。現在、財団の産学官共同研究事業及び文部科学省の地域先導研究に採択され、試薬等への応用に向けて研究中です。
廃材を利用した吸放湿機能を持つ炭化ボード
研究シーズ/ 脇坂 政幸(福岡県工業技術センター インテリア研究所)
実施機関/ 段谷産業(株)
木工製品関連産業から排出される廃材を原料として炭を製造し、この炭から建材及び家具用ボードの製造を行い、現在製品化に向けて開発継続中です。
自己組織性量子井戸構造を持つ発光材料
研究シーズ/ 江良 正直(佐賀大学 理工学部 助教授)
実施機関/ 佐賀大学
本研究では層状ペロブスカイト化合物の自己組織性を利用することで、スピンコート法や共蒸着法などの簡便な手法により半導体量子井戸材料が作製できることを示しました。さらに、この量子井戸材料を用いた発光デバイスにおいて高輝度高効率発光に成功し、発光デバイス材料として有望であることがわかりました。地域コンソーアム事業で開発中の有機ELデバイスの発展として、指向性の強い光デバイスへの応用を図ります。
高温SQUID磁気センサを用いた極微弱磁界マッピングシステム
研究シーズ/ 円福 敬二(九州大学大学院 システム情報科学研究科 助教授)
実施機関/ (株)エム ティ アイ
パルス管冷凍機による高温SQUID磁気センサの冷却技術を確立し、磁気シールドルームの性能検査用微弱磁界マッピングシステムを開発しました。現在、財団の産学官共同研究事業に採択され、製品化に向けて開発継続中です。
ネットワーク構築
新技術・新産業創出研究会
NC工作機械の実動作を計測し、その性能や誤差を数値化し評価する装置を作成しました。本装置は、2次元の任意動作での誤差を、分解能0.1μmで数値化でき、かつ、持ち運びが容易であるため、加工現場での計測解析が可能になりました。製品化を行い一部現場での利用も進めています。
NC工作機械動作精度計測システム
(福岡県工業技術センター)
エネルギー貯蔵用材料研究会
リチウムイオン電池材料の開発及び将来出現可能な新型リチウム電池材料、高分子材料を含む材料開発、水素吸蔵合金電池材料、ナトリウム・硫黄電池材料及びニューキャパシター材料に関する研究を行いました。このバッテリーと新しいコンデンサと組み合わせて、新しい電気エネルギー貯蔵システムへの展開を計画しています。
小型リチウムマンガン系バッテリー(佐賀大学)
フォトニクス技術応用研究会
研究会を中心に、フォトニクス応用技術調査を行い、平成9年度独創的研究成果育成事業を活用し赤色発光を示す蛍光材料を薄膜発光層に採用したエレクトロルミネッセンス(EL)デバイスの原型を開発しました。今後は、青色及び緑色発光層と組み合わせて、多色ディスプレイへの応用を図ります。これは、平成9年度に採択されたNEDO地域コンソーシアム研究開発事業の基礎となったものです。同事業の成果として、320×240ドット単純マトリクスディスプレイの開発に成功し、高速の動画表示が可能になりました。
48×96ドットマトリクスの多色ディスプレイ
 
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