事業目標の達成度及び波及効果並びに今後の展望
(財)神奈川科学技術アカデミーを中心として、神奈川県農業総合研究所等の公設試験研究機関を活用しつつ、事業実施体制を整えた中で、事業総括、研究統括、新技術エージェントの三役が個性を発揮しながら、多数のテーマについて活発な活動がされている。個別のテーマに関する成果は高く評価でき、ホルムアルデヒド検出試薬等、具体的な商品化や光触媒オープンラボの整備等の独自の試みも見られる。慶應義塾大学等の大学、神奈川県農業総合研究所等の公設試、企業の連携による着実な事業の進捗が認められ、今後のフェーズIIIへの戦略もしっかりしている。
しかしながら、成果が試薬やセンサーといった個別の測定技術や材料開発に偏っており、事業という視点から見ると経済的な波及効果の規模がやや限定的である。今後は地域の新産業創出をより意識した取り組みを期待したい。
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研究開発目標の達成度及び成果並びに今後の展望
酸化チタンの光触媒作用を研究の核とした応用展開研究であり、様々な工学的展開から環境・農業にまで広く実用化の可能性を見出している。個別の研究テーマについては、連携に乏しく断片的であるという側面もあるが、それぞれの目標達成度は高いものと評価できる。論文発表、特許の出願、および研究成果の外部発表は積極的に行っており、数字的にも十分なものである。
応用・実用化を意識した、企業との共同研究体制構築の取り組みも評価できる。その中で、商品化に進んでいるテーマも多く、それぞれの展望も明るい。今後は、河川や土地の浄化といったような大規模な事業への展開も期待したい。
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成果移転に向けた取り組みの達成度及び今後の展望
「特許推進グループ」を設置し、88件の特許出願を行い、その中から7件の製品化といった、成果移転への積極的な姿勢が見られる。成果の中には小型であったり、独創性に乏しいように思われるものも見られるが、産業的に意味のあるものが多いと評価できる。
また、金型研究会の成果に関しても実用化が期待できるが、それには参画している企業の役割分担を明確化する必要がある。
今後は研究成果をより広範囲に活用して、実用化へのさらなる展開を期待したい。
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都道府県等の支援及び今後の展望
神奈川県は従来から産学共に高いレベルにあり、その中で優れた研究シーズおよび人材から成果が生まれているが、それに対する神奈川県の寄与度が不明確な部分もあった。しかし、県独自の科学技術振興事業である「知的イノベーション創出プログラム」の新設、光触媒オープンラボの整備等、県の全般的な支援姿勢が示されている。
今後は、地域産業により大きな影響を及ぼすべく、本事業で得られた研究成果をはじめとした恵まれたポテンシャルを活かすために、神奈川県がさらに主体的に係わる事が望まれる。 |