バイオテクノロジーは、国の総合科学技術会議の定めた4重点研究開発分野の一分野であり、生命科学産業は、横浜市が今後積極的にベンチャー集積や産業クラスター形成を推進していく、重要目標である。バイオの分野は、ゲノムからプロテオームの世代に入り、プロテオミクスの研究開発が、国際的に熾烈な競争裡に急速に進展している。横浜市には本共同研究の舞台である横浜サイエンスフロンティア(鶴見区末広町地区)に理化学研究所横浜研究所・横浜市立大学大学院総合理学研究科・産学共同研究センターが配置されている。その優位性・独自性を活かし、
(1)低分子化合物とタンパク質との相互作用の解析
(2)機能性タンパク質の同定
を柱とした新技術の開発、を達成目標とし、創薬・機能性食品開発の基盤技術として優位性の高い機能性タンパク質の解析評価システムを確立する。同時に、この研究開発事業の発展段階に応じて、必要な、或いは関心のある研究者や中小企業を含む企業に共同研究の輪を広げ、地域COEの構築を目指す。
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1)地域COEの構築
横浜市には生命科学関係の基盤技術や応用技術を有する企業が集積し、さらに、生命科学分野の大学や民間企業の研究所も多く立地しており、生命科学研究の分野における研究者の集積地である。 世界的な開発競争が行われているこの分野で、横浜市は研究成果を速やかに産業界に技術移転していく上で我が国における最適地の一つである。横浜市の地域COEは、これら集積を生かしつつさらに充実させるとともに地域の科学技術や経済振興を図る市が中心となりながら、横浜市立大学、理化学研究所横浜研究所などが核となり、地域の大学、民間研究機関等を巻き込み、市内中小企業をはじめとした企業等への情報発信機能の充実した生命科学の地域COEを形成する。また、千葉県のかずさDNA研究所など首都圏などの研究機関との連携をとったグローバルなCOEを目指す。
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2)新技術・新産業の創出
次の2つの新技術を開発するとともに細胞機能上非常に重要なタンパク質について構造と機能の解析を行い、薬物や機能性食品の開発基盤データを開発する。
(1) 薬物候補低分子化合物とタンパク質の相互作用を網羅的かつ迅速に解析する新技術の開発
- タンパク質回収フロー型自動NMR解析技術の開発
- アフィニテイー型キャピラリー電気泳動質量分析技術の開発
- DNA結合タンパク質同定技術の開発
但し、NMR装置や質量分析装置の本体は市販品を使用するが、付属装置を新たに開発し薬物同定を網羅的かつ迅速に行うための新技術を開発する。
(2)細胞機能上重要なタンパク質を網羅的かつ迅速に同定する新技術の開発
- 分泌タンパク質マッピング技術の開発
- シグナル伝達モニタリング技術の開発
- (前駆細胞タンパク質同定技術の開発)
この他、細胞機能上非常に重要なタンパク質について構造と機能の解析を行い、薬物や機能性食品の開発基盤データを開発する。
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