評価一覧評価説明報告書地域別評価熊本県 >(参考1)

地域結集型共同研究事業

平成11年度事業開始地域中間評価報告書

平成14年3月
科学技術振興事業団地域振興事業評価委員会

4. 地域別評価
4−4 熊本県
◆(参考1)事業の目標・概要
 熊本県は、地域における半導体製造関連企業群の集積を背景に、平成11年、熊本県科学技術振興指針を制定し半導体新製造技術を重点分野に位置づけた。熊本県地域結集型共同研究事業においては、コアテーマ「超精密高速ステージ開発」、サブテーマ「計測技術開発」、「デバイス作成技術開発」により、次世代のサブ0.1ミクロン半導体製造プロセスの基盤技術を創出し、本分野に関するCOE構築を目指す。
 また、同時に、県独自に並行して取り組む事業として、次世代技術に対応しうる研究者、生産技術者を継続的に輩出することを目指した半導体教育・研修システムの構築を図ることにより、地域COEの基盤を人材面から下支えする。

 研究課題は下記の通り。コアテーマの「超精密高速ステージ」は、CD−SEM (Critical Dimension 測長電子顕微鏡)やステッパー・プローバー等でウエハーハンドリング機構となるべく開発するもので、30cmウエハーに対して、秒単位での高精度位置決め行うことを目標に、圧電素子の材料開発から機構設計・制御システムまでを一貫して開発する。
 サブテーマとしては、「計測技術開発」、「デバイス作成技術開発」があり、下記の7テーマを含む。

サブテーマ名:計測技術開発

 小テーマ:3次元計測手法開発
CD−SEMの電子ビームを異なった角度に傾けて照射し、かつ高分解能とすることで、精密・高速な三次元形状計測を可能にする。
 小テーマ:プローバ高周波計測技術開発
半導体の高周波動作化に対応して、高周波デジタル信号伝送を可能にする同軸構造のプローブカードを開発する。

サブテーマ名:デバイス形成技術開発
 小テーマ:エッチング異常放電監視法開発
半導体製造の前工程プロセスにおいては、プラズマを応用した製造装置が多用されているが、種々の要因により装置内でマイクロアークと呼ばれる異常放電が発生することがあり、深刻な問題となっている。本テーマは、放電に伴う音響振動を検出するという新規な着想により、放電の発生検知に加え発生位置の特定も可能にするものであり、放電原因究明に寄与することで異常放電現象の抑制に貢献すると期待される。
 小テーマ:レジスト塗布・現像プロセス開発
微細化に対応してマスクにも高い加工精度が要求される。本テーマでは、角型のマスクにおいて端部までの膜厚均一性とレジスト使用量の大幅削減を目指し、スキャン塗布現像方式によるプロセスを開発する。
 小テーマ:次世代実装対応めっき技術開発
電子機器の小型化高性能化には、LSI単体ではなく、半導体パッケージを含む実装レベルでの微細化高速化が必要である。本テーマでは、プリント配線板の高性能化のため、高アスペクト比フィルドビア埋め込み技術・低誘電率材料に対する銅配線の密着性向上技術を開発する。
 小テーマ:液晶光プローバ開発
斜方からLCDを見る場合の輝度ムラ検査は、大半が検査員による目視検査で行われている。本テーマでは、輝度の視野角依存性を測定する光学システムとムラ判定アルゴリズムを備えた、高精度かつ高効率の自動検査装置を開発する。
 小テーマ:微細加工・計測技術開発
高い拡散防止性能を持つWN超薄膜ドライ成膜技術を開発する。また、多品種少量生産に対応するため、LCDをレチクルとして用いることにより、多様な微細加工パターンをレチクルの交換なしに描画する露光技術を開発する。


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