地域結集型共同研究事業
平成11年度事業開始地域中間評価報告書
平成14年3月
科学技術振興事業団地域振興事業評価委員会 |
4. |
地域別評価 |
|
4−2 岐阜県
◆(参考1)事業の目標・概要 |
近年の情報通信技術・コンピュータ技術の飛躍的な発展は、産業・経済・行政・国民生活などあらゆる分野で大きな変革をもたらし、多様な情報を活用した新しい社会構造を形成しつつある一方で、21世紀の高齢社会においては、高度に情報化された機器あるいは社会システムの恩恵を、すべての人々が等しく享受し、快適な生活を保障されることが重要な課題となっている。
このため岐阜県の地域結集型共同研究事業では、画像処理技術を基礎としてコンピュータを中心とする機械装置にセンシング機能と判断・認識機能を付与して人間及びその周辺環境を理解させる技術「実環境情報処理技術」の研究開発を行い、地域に根ざした新産業の創出と行政における普及、さらには地域COEの構築を目指している。
具体的な研究内容は、以下のとおりである。
|
(1)頭部領域検出技術の研究
顔の向きに安定な顔検出や個人識別技術、顔画像からの性別・年代の推定技術、及び顔部品を用いた視線検出技術の研究を行う。
これまでに、8台のカメラを用い、顔識別及び顔向き推定実験を行うとともに、平均顔の構築を完了している。顔領域特徴点の抽出については84%以上の抽出率を得ている。
また、被験者顔画像と平均顔とのパラメータ距離を用いた男女の性別・年齢等の人物属性の推定実験を行っている。
さらに、注視方向検出に関して、高精度な瞳抽出方法を検討、実験した結果、95%の抽出率を達成した。
(2)手部領域検出技術の研究
複数背景からの手顔の分離抽出技術や個人に依存しない指シンボルの認識技術、あるいは指差し動作認識の研究を行う。
これまでに、肌色領域検出手法を手領域検出に応用し、手領域検出の検討を行った。
また、実証モデルとしてジェスチャ制御テレビシステムを完成させ、複数人を対照とした実験を行い、94%以上の認識率を得た。
(3)画像計測及びモデル生成の研究
全方向ステレオカメラシステムの研究及び距離画像取得手法の確立を目指し、また、都市モデルやCADモデルの生成手法の研究を行う。
これまでに、ボール型カメラシステムを設計・試作し、全方向画像及び高速にステレオ処理する距離画像取得が可能なシステムを構築するとともに、室内環境におけるイベント抽出実験を行い、人の動きの抽出に成功した。
また、複数の物体を含むレンジデータに対し、遺伝的アルゴリズムを用いて超2次曲線で当てはめられる部分データに分割・当てはめることにより、レンジデータの同時分割とモデリングを行う手法を検討した。
(4)人と環境との関係理解の研究
(1)から(3)までの要素技術を複合化することにより、本研究の究極的な目的である「人の意図を理解するコンピュータ」を実現するため、「人と環境との関係理解から人の意図を類推する技術」の研究を行う。
|
|
|
This page updated on April 30, 2002
Copyright©2002 Japan Science and Technology Corporation.