地域結集型共同研究事業
平成11年度事業開始地域中間評価報告書
平成14年3月
科学技術振興事業団地域振興事業評価委員会 |
4. |
地域別評価 |
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4−1 岩手県
◆(参考1)事業の目標・概要 |
岩手県地域結集型共同研究事業は、「生活・地域への磁気活用技術の開発〜磁場産業の創生〜」を目指して、地域における諸課題の解決、地域からの地球環境保全への貢献とともに、新しい磁気科学の分野を開拓し、環境関連などの新技術・新産業の創出に資するネットワーク型磁気活用COEの形成を目標としている。
本事業では、地熱研究の蓄積や新規電子供与体、トリアジンチオール、均一磁場制御技術など岩手大学の有するポテンシャルを中心に、岩手県先端科学技術研究センター(平成11年4月開所)を主たる研究実施場所(中核施設・コア研究室)として、岩手大学、地元企業、岩手県工業技術センターなど地域の産学官が、国内外の研究機関及び企業と連携して本事業を実施することにより、磁気活用技術に関する知的科学技術資源の蓄積と国際的なネットワークの形成を図る。岩手県では、INS(岩手ネットワークシステム=岩手大学を中心とする産学官連携体)など研究成果を展開できる制度や仕組みを有し、本事業終了後も中核施設を持続的に運営し、岩手大学、岩手県工業技術センターを中心とする地域の産学官の有機的なネットワークを整備して磁気活用研究に取り組んでいく。
本共同研究は、相互に関連する3つのグループに分けられ、フェーズIでは要素技術の開発とその現象を理論的に明らかにすることを中心に実施し、フェーズIIでは進捗に合わせてテーマを再編し、新技術エージェント等の活動を通じて実用化を加速する。以下に3グループの概要を示す。
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A 磁場活用技術の開発
・固液磁気分離技術の開発(地熱水からの砒素除去、非磁性金属類の分別)
・磁気利用による新規導電性複合体の創製(粒子間隔制御等の検討)
・トリアジンチオールを用いる薄膜製造、機能評価(配向及び配列高分子薄膜の検討))
・感磁性有機自己集合薄膜製造・機能評価(機能性高配向有機超薄膜の作製)
・結晶制御における磁場効果(結晶配向技術の検討)
・磁気利用による食品加工・貯蔵方法の開発(微生物成長制御等の検討)
・免疫系への磁場の影響(免疫細胞の機能変調や細胞傷害の検討)
・磁気利用による耐性ばね組織制御及び水素脆化制御技術(組織制御法の検討)
B磁気計測技術の開発
・心疾患治療評価のための心磁計の開発(心磁界データ解析ソフト等の開発)
・先進磁気シールドシステムの開発(アクティブシールドシステム等の検討)
・多機能SQUID顕微鏡の開発(非接触型半導体検査装置の開発)
・産業用SQUID応用機器の開発(非破壊検査等への応用技術開発)
・鮭の雌雄判別システムの開発(核磁気共鳴画像化を利用した技術開発)
C磁気活用に関する要素技術の開発
・磁化システム・磁場形成技術の開発(バルク材着磁技術の確立)
・材料評価技術開発 (液体窒素温度における機械特性及び熱物性評価方法の開発)
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