JSTについて

理事長挨拶

画像:国立研究開発法人科学技術振興機構 理事長 濵口 道成

2020年、世界は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに見舞われました。未曽有の危機の到来に、人類は科学技術という英知を結集して、果敢に立ち向かっています。

最大の課題は市民・社会を「護る」ことです。ウイルスを直接抑えるワクチンや治療薬の開発はもちろんですが、COVID-19と共存して経済・社会活動を維持するためには、ウイルスや抗体の存在を高感度に「見つける」技術、殺菌やウイルス不活化など「清める」技術、ウイルス感染から市民を「護る」技術が欠かせません。医療分野にとどまらず、工学、化学、情報学、ナノテクノロジーなど分野を超えた研究開発が求められています。JSTは「見つける」「清める」「護る」の技術開発を中心に、さまざまな事業でCOVID-19の特別プロジェクトを立ち上げました。COVID-19を克服する成果を速やかに社会に届けるべく、あらゆる分野の知の結集に積極的に取り組んでいます。

COVID-19は研究開発の現場にも多大な影響を及ぼしており、日本の科学技術研究の競争力の低下が懸念されています。JSTは研究報告書の提出期限や公募期間の延長など、厳しい環境でも研究を継続できるような制度運用や研究支援を講じました。今後も感染拡大の状況、大学など研究機関の対応を踏まえつつ、迅速かつ柔軟な支援に努めてまいります。

また、JSTは将来にわたって日本が世界の科学技術をリードし、全ての人々の幸福のため、そして未来のためのイノベーションを創出すべく、従来からのプログラムの推進に加え、新たな挑戦を続けています。

特に若手研究人材の育成は我が国にとって喫緊の課題であり、JSTでは新たな2つの取り組みに着手しました。「創発的研究支援事業」では、7年という比較的長い期間、自由な発想に基づく若手研究者の挑戦的研究を支援します。また「ムーンショット型研究開発事業」では、新たなムーンショット目標の策定に向け、2050年に現役でいる若手を中心とした多様な方々からなるチームで理想的な社会像を描いていただき、その実現に必要な科学技術を調査する「新たな目標検討のためのビジョン公募(ミレニア)」を進めています。

2021年度はJSTの現中長期目標の最終年度となります。濵口プランの実現に向け全力で邁進してまいります。皆様の引き続きのご支援、ご協力をお願い申し上げます。

令和3年1月
国立研究開発法人科学技術振興機構
理事長

浜口 道成の直筆サイン