JSTについて
理事長挨拶

2022年4月に理事長に就任し、初めての新年を迎えることとなりました。新型コロナウイルス感染症は日本、そして世界に多大な影響を及ぼしてきましたが、徐々に明るい兆しが見えてきました。一方、昨年は国際・経済社会にとって激動の1年となりました。復興と変革が求められる状況の中、科学技術・イノベーションへの期待はより一層高まっています。JSTが日本の科学技術・イノベーションの中核として、期待される役割をしっかりと果たせるよう、JST一丸となって取り組んでまいります。
その礎となるファンディングプログラムについては、10年後のあるべき姿を見据え、第一線の研究者の皆様方にもご協力をいただきつつ、より効果的なものとなるよう改革を進めていきます。さらには取り組みを一層充実したものとするため、新たな人事制度を設け、研究マネジメントに関わる人材層を登用するなど、組織としての研究マネジメント力の強化を図ります。
また、大学ファンドや創発的研究の推進といった若手研究者の育成・活躍促進に向けた新たな事業などにも全力を尽くしております。そして、日本が国際社会において今以上に強いイニシアティブを発揮し、世界的な課題解決に貢献していくため、新たな2つの取り組みを開始します。
1点目は国際共同研究の推進です。国際秩序の変革と混乱の中、科学技術・イノベーション分野における日本への期待は非常に高まっています。この期待に応えるためには、先進国との間で、最先端の分野や技術開発につながる情報を取得できるネットワークを構築するとともに、次世代のトップ研究者を育成し、世界の流れから取り残されない強固な仕組みを設けることが必要となります。国際共同研究を通じて、先進国のトップ研究者同士を結び付け、国内外研究者の知の循環を推進していきます。
2点目は革新的なグリーントランスフォーメーション(GX)技術の推進です。2050年のカーボンニュートラル実現に向け、革新的なGX技術の開発を抜本的に強化することが不可欠です。日本の強みであるアカデミアによる基礎研究力の蓄積と高いポテンシャルを生かし、オールジャパンでの研究体制を構築し、企業などにおける技術開発や社会実装と緊密な連携や協働を進めながら、研究開発を図ってまいります。
本年も皆様の引き続きのご支援、ご協力をお願い申し上げます。
令和5年1月
国立研究開発法人 科学技術振興機構
理事長
