お知らせ

平成30年6月1日

研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 「ステージIII NexTEP-Aタイプ」平成29年度募集における新規課題の決定について

JST(理事長 M口 道成)は研究成果最適展開支援プログラム(A−STEP)のうち、ステージV NexTEP−Aタイプの平成29年度募集における新規課題1件を次の通り決定しました。

採択課題1件

課題名 新技術の
代表研究者
開発実施企業 新技術の内容
オゾンジェルを用いた新しい牛乳房炎治療薬の開発 鳥取大学
農学部共同獣医学科獣医外科学教室
教授 岡本 芳晴
株式会社
ブイエムシー
本開発は、オゾンジェルという剤型によりオゾンを溶存・安定化した形で牛の体内に注入することで、乳房炎に対する高い有効性が期待される牛乳房炎治療薬を提供するものである。
牛乳房炎の治療にはこれまで抗生物質が使用されているが、耐性菌の問題から抗生物質に代わる抗菌剤のニーズが高まっている。WHO薬剤耐性グローバルアクションプラン(2015)において抗微生物薬の人および動物医療における適正化(適正使用)が謳われ、我が国も伊勢志摩サミットにおいて2020年までに抗生剤の30%削減が宣言されている。なお、オゾンガスの乳房炎への有効性は報告されているが、普及しない理由として高価なオゾンガス発生装置の導入が必要であり、使いにくくかつ医療機器としての認可が未取得であるためと考えられる。
本技術では、オゾンをグリセリンに無臭・安定化したことで、酪農現場での使い勝手が大幅に改善されていることはもとより、難治性で従来諦めていた慢性乳房炎への有効性も探索試験ながら確認されている。本開発ではオゾンジェルの有効性及び安全性を検証し、動物用医薬品の許認可取得、治療薬としての実用化を目指す。
オゾンは耐性菌を作らず、さらに酸素によって分解され残留しないため、オゾンジェルは治療効果と安全性の観点で経済効果が見込まれる極めて有効な乳房炎の治療薬として期待される。

研究成果最適展開支援プログラム(A−STEP))「ステージV(NexTEP−Aタイプ)」について

A−STEP(Adaptable and Seamless Technology Transfer Program through Target−Driven R&D)は、大学・公的研究機関など(以下、「大学等」※1という)で生まれた国民経済上重要な科学技術に関する研究成果を基にした実用化を目指すための研究開発フェーズを対象とする技術移転支援プログラムです。
A−STEPは、研究開発フェーズの特性に応じて、ステージTからVまでの3つのステージにより構成されています。初期段階であるステージTでは、ステージU、Vへの展開を目指すシーズ候補に対し、企業ニーズにつながるシーズとしての可能性を検証します。ステージU、Vでは、産と学の共同研究開発により、実用性検証(主にステージU)および実証試験(主にステージV)のフェーズにおける研究開発を行います。
今回募集を行ったステージVNexTEP−Aタイプは、開発リスクを伴う規模の大きい開発を支援し、実用化を後押しすることで、大学等の研究成果の企業化を目指すものです。
※1 「大学等」とは、国公私立大学、高等専門学校、国立試験研究機関、公立試験研究機関、国立研究開発法人、研究開発を行っている特殊法人、独立行政法人、公益法人等(非課税の法人に限る)をいいます。

★本件に関するお問い合わせ先★
産学共同開発部 大竹 利也(オオタケ トシヤ)、西尾 克俊(ニシオ カツトシ)
Tel:03-5214-8995 Fax:03-5214-0017 E-mail:jitsuyoka[AT]jst.go.jp
※メールでお問合せの際はメールアドレスの[AT]を@に変更してご送信ください。

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