※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
アグリ・バイオ
製品化/起業
キーワード :
匂いマトリックス、匂い数値化、匂い情報DX、匂い再構成、デジタルフレグランス、デジタルフレーバー
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) シーズ育成タイプ
研究開発課題名
ヒト嗅覚受容体センサーを応用したAI調香師の創生(開発期間:令和元年10月~令和4年3月)
プロジェクトリーダー所属機関 株式会社香味醗酵 研究者 黒田 俊一(大阪大学)
プロジェクトリーダー所属機関 株式会社香味醗酵 研究者 黒田 俊一(大阪大学)
ヒト嗅覚を支える388種類の嗅覚受容体を、それぞれ発現する細胞をアレイ状に配した匂いセンサーは、ヒト嗅覚が感じる全ての匂い(単純臭から複合臭まで)を識別可能で、388次元のデジタルデータ(匂いマトリックス)として出力する。今回の開発により、異なる匂い成分でも、匂いマトリックスが似ていれば、ヒト嗅覚は同じ匂いとして認識することを発見した。具体的には、50種類以上の匂い成分で構成されるラベンダー精油、ローズ精油などから得た匂いマトリックスに基づき、AIが選抜した各精油に含まれない匂い成分数種類を混合し、匂いマトリックスを再現したところ、各精油と同じ香りを有していた。この結果は、多数の匂い成分を含む複雑な匂い・香りでも、匂いマトリックスを用いると、少数の匂い成分で再現可能であることを示している。
期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)
デジタル化された匂い情報(匂いマトリックス)は従来の匂い評価法を大きく変革し、より精度の高い製品開発を可能にする。また、少数の匂い成分で複雑な匂いを再現するAI調香師により、テレビや電話の様に、匂いはデジタル転送することが可能となる。従来の、音【聴覚】・映像【視覚】に、匂い【嗅覚】を付加することで情報濃度は飛躍的に向上する。世界中の人々との匂いの共有・仮想空間への匂いの転送・匂いによる臨場感の向上・匂いの保存など様々な効果が期待される。これらの市場規模は231兆円以上と予測されている。開発者の声
ヒト嗅覚受容体センサーの認知度が日増しに上がっており、ここ数年で、(株)香味醗酵に対し、匂い・香りに関する課題を有する大手企業からの問い合わせが100件近く来ており、今後も増えるものと予想している。●日刊工業新聞:2020年7月30日 輝け!スタートアップ(42)香味醗酵
※記事の全文は日刊工業新聞の購読会員のみ閲覧可能です。
●日刊工業新聞:2020年12月17日 阪大・香味醗酵、「におい」15分で数値化 嗅覚受容体の反応測定
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●化学工業日報:2022年07月25日 「機能」から「感性」の時代へ 匂いや音、肌触/
この成果のコンセプトは論文発表されています。
Kuroda S, Nakaya-Kishi Y, Tatematsu K, Hinuma S. Human Olfactory Receptor Sensor for Odor Reconstitution. Sensors (Basel). 2023 Jul 5;23(13):6164. doi: 10.3390/s23136164. PMID: 37448013; PMCID: PMC10346456.
Kuroda S, Nakaya-Kishi Y, Tatematsu K, Hinuma S. Human Olfactory Receptor Sensor for Odor Reconstitution. Sensors (Basel). 2023 Jul 5;23(13):6164. doi: 10.3390/s23136164. PMID: 37448013; PMCID: PMC10346456.