研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
アグリ・バイオ
製品化/起業
小型・安定化した単一分子検出に基づく2色蛍光相互相関分光装置
キーワード :  蛍光相関分光法、蛍光相互相関分光法、光ファイバー、粒子径測定、蛍光分子濃度測定、相関器
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 機能検証フェーズ
研究開発課題名 光ファイバーと顕微鏡を利用した、蛍光相互相関分光装置の開発(開発期間:令和元年11月~令和2年11月)
ニーズ元企業名 コスモ・バイオ株式会社 研究者 金城 政孝(北海道大学)

蛍光相関分光法(FCS)や2色の蛍光色素を利用する蛍光相互相関分光法(FCCS)は90年代に発明され現在までに様々な改良が行われ,すでに目新しい方法ではない。溶液系や生細胞内の分子間相互作用の検出が可能であるが、煩雑な共焦点位置合わせのためのピンホール調整が必要であった。我々の提案した、ダイクロイックミラーの代わりに不等分割型光ファイバーを利用することで、事前の共焦点位置合わせが必要無くなり、利用者は常に最適な条件の測定に専念でき、時間の節約とスループットの増大につながる。
最小検出可能な分子の流体力学的直径は蛍光分子のフルオレッセインやAlexa488などの分子サイズである約1nm程度から、リポソームなどの約100nmまでをカバーする。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

近年話題の細胞外小胞のひとつであるエクソソームの検出や凝集タンパク質の検出などに応用可能である。
たとえば、エクソソームの表面にはCD9やCD63などが存在しており、エクソソームを検出するためのマーカー(目印)として利用されている。これらのマーカーに対する抗体に蛍光標識を付しておきエクソソームに結合させ、それらを開発した装置で検出することでエクソソームの迅速な同定などが期待される。

開発者の声

この装置開発は不等分割光ファイバーの利用による煩雑な光軸調整が必要ない構造を基本とし、同じくA-STEP2018(機能検証フェーズ、VP30318089120)にて開発したFPGAによる相関解析装置を組み込み、その他、小型LD、光ファイバー、光検出器などの開発企業が参加したオールジャパンとして開発を進めてきた。今後はより広い分野での応用ができるように改良を進めて行きたい。
この成果は、コスモ・バイオ株式会社からプレスリリースとして発表されています。
●蛍光検出器『SMART FCCS』の販売開始に関するお知らせ [2022年10月]
※同プレスのHTML版はこちら(BtoBプラットフォーム-業界chの記事 )
北海道大学先端生命科学研究院のウェブマガジンで紹介されています。
●蛍光相関分光法の研究が社会実装されました(金城名誉教授)[2022年11月]


このページの先頭へ