研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
アグリ・バイオ
プロトタイプ
生体に近い三次元組織モデルを自動で製造する装置を開発
キーワード :  iPS細胞モデル、交互積層法、三次元組織、バイオプリント、微細塗布、再生医療、創薬研究、毒性評価
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) シーズ育成タイプ
研究開発課題名 三次元生体組織(LbL 3D組織)の全自動製造システムの開発(開発期間:平成30年10月~令和3年3月)
プロジェクトリーダー所属機関 NTN株式会社 研究者 明石 満(大阪大学)

iPS細胞等を応用した疾患モデル・毒性評価モデル等の創薬研究ツールや再生医療用組織の構築・製造・事業化を目指し、三次元生体組織(LbL-3D組織)の開発を行った。交互積層(LbL)三次元組織作製にあたっては、中実針により高速・高精度で貴重な細胞リソースを定量かつ安定的にバイオプリントできる微細塗布装置をはじめ、LbLコーティングや培地交換を行う細胞コーティング装置、細胞分注装置について、各自動化装置のハードウェア・制御コントローラ・ソフトウェアを開発した。三次元皮膚モデルについては、手動製造と同等レベルの構造、品質確保を確認し、皮膚刺激性試験代替法の公定化と国際標準化に向けたバリデーション研究を進めた。三次元心筋モデルについては、量産化での連続生産数目標である20プレート(96well)/日を達成するとともに、既知の薬剤に対する正常な応答を確認した。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

微細塗布装置は、針を使った新しいバイオプリンタとして、容器形状に依存せずに多様な細胞材料を少量かつ高位置精度で配置できる。LbL-3D組織は、長期間の高い細胞生存率が担保され、特殊なデバイスを用いることなく大規模な組織を構築できる。これらの特徴を活かし、iPS細胞による三次元組織が作製可能であり、疾患モデルや毒性評価モデルによる創薬研究ツールから再生医療用サイズの組織までを機械化、自動化して製造することができる。

開発者の声

A-STEPの事業により蓄積できた三次元生体組織の構築・評価技術、自動製造システム開発の成果を活用し、創薬研究、再生医療に適応可能な細胞モデルの社会実装を目指す。まずは微細塗布装置、LbL-3D組織モデルを応用した次世代の各種三次元生体組織の創薬研究支援ツールへの展開を行う。


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