研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
アグリ・バイオ
製品化/起業
非環状型機能性人工核酸の工業化と核酸医薬への応用可能性確認
キーワード :  人工核酸、機能性核酸、核酸医薬、siRNA、アンチセンス、ギャップマー、診断薬、モレキュラービーコン
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) シーズ育成タイプ
研究開発課題名 非環状型機能性人工核酸の開発(開発期間:平成29年10月~令和2年3月)
プロジェクトリーダー所属機関 日華化学株式会社 研究者 浅沼 浩之(名古屋大学)

名古屋大学浅沼研究室で開発された非環状型機能性人工核酸(SNAおよびiL-aTNA)は、優れた酵素耐性と天然核酸との親和性から、核酸医薬の性能を大きく向上させる可能性がある。また、類似人工核酸と比較して合成容易性、機能拡張性にも優れることから診断薬などへの展開も期待される。本A-STEPプロジェクトでは、モノマーおよびオリゴ核酸の大量合成を可能にし、用途検証を行うことにより、非環状型機能性人工核酸が汎用的に利用される環境整備を行った。並行した応用検討では、非環状型人工核酸を用いて、miRNAを検出する高感度蛍光プローブの開発や核酸医薬(siRNA, AMO, Gapmer)の検証を行った。遺伝子ノックダウン、24時間酵素耐性、off-target効果抑制などの効果を確認した。今後は人工核酸技術に基づくプラットフォームを整備し、医薬品開発における優位性の確保を目指す。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

核酸医薬の配列に非環状型機能性人工核酸を導入することで活性、毒性、酵素耐性などの求められる機能を改善出来る可能性があり、核酸医薬への応用が期待出来る。
核酸医薬市場は2021年に数千億円、2030年には2兆円強の規模になると予測されている。
将来、製薬企業との共同研究契約を締結し、一時金やライセンスフィーにより年10億円以上の売上が予測される。

開発者の声

研究室レベルでは動物実験用のオリゴ供給が不可能であったが、日華化学がモノマー、北海道システム・サイエンスが高純度オリゴの量産合成に成功したことで医学部との共同研究が可能になり、動物実験など発展的な研究も行うことができ当初の計画を遥かに凌駕する成果を挙げることができた。
この成果は、日華化学株式会社からプレスリリースとして発表されています。
●アミノ酸由来人工核酸モノマーの工業生産プロセス確立、核酸医薬等の試験研究用途向けに販売を開始[2022年6月]


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