研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
アグリ・バイオ
製品化/起業
産業排水に含有する1,4-ジオキサンを微生物により分解する革新的技術
キーワード :  産業排水、1,4-ジオキサン分解菌、大量培養、粉末製剤化、分解菌定量手法、低コスト、環境負荷低減
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)  シーズ育成タイプ
研究開発課題名 難分解性化学物質1,4-ジオキサン含有排水の効率的生物処理技術の確立 (開発期間:平成27年12月〜平成30年3月)
プロジェクトリーダー所属機関 大成建設株式会社 研究者 池 道彦(大阪大学)

人への有害性が認めらている1,4-ジオキサンは、特定の産業排水に含有する難分解性の化学物質であり、近年、環境規制の強化が進められている。しかしながら、経済性や処理性能の観点から実効性の高い処理技術は未だ確立されていない。本課題では、新たに発見した1,4-ジオキサン分解菌N23株が従来の分解菌より極めて優れた分解性能を有することを明らかにするとともに、その分解能力を最大限に発揮できる連続回分処理プロセスを開発した。このプロセスの性能を実排水を用いた実証試験で検証した結果、安定的に一律排水基準値0.5mg/Lをクリアするとともに、水質変動へも優れた追従性を有することが明らかとなった。さらに、処理装置におけるN23株の定量手法、N23株の商用スケールでの大量培養手法及びN23株の粉末製剤化等、実用上必要となる要素技術についても確立した。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

本技術は、競合技術である促進酸化法と比較して、イニシャル・ランニングコストを各々50%、LCCO2を90%以上抑制でき、経済合理性と環境負荷低減を両立した新規処理技術である。1,4-ジオキサンの環境規制、排水規制は、我が国だけでなく国外でも進行しつつあり、日本発の環境技術として展開してゆく。

開発者の声

N23株のスクリーニングには成功したものの、開放系である排水処理で安定処理を達成させるのに大きなハードルがあった。そこで、N23株の基本特性を徹底的に調べ上げた結果、酸性条件下でも高い分解活性を持つことを見出した。一般的な雑菌は酸性条件下では生育できないため、pH制御により雑菌の増殖を抑制することで、実排水での安定処理を実現できた。これらの知見の集積には、大学連携が大いに効果を発揮した。
※この成果は、大成建設株式会社からプレスリリースとして発表されています。
●独自発見した分解菌による1,4-ジオキサンの生物処理プロセスを構築 実化学工場排水の高効率な処理方法を実証中
※この成果は、日経産業新聞、日刊工業新聞、化学工業日報などで紹介されました。
※環境賞・優秀賞、先端技術大賞・特別賞、日本水環境学会・技術奨励賞及びエンジニアリング協会・奨励特別賞を受賞しました。
●平成30年度環境賞(優秀賞)
●第32回(2018年度)独創性を拓く 先端技術大賞 受賞者(特別賞)
●日本水環境学会:技術賞・技術奨励賞 歴代受賞者(平成29年:技術奨励賞)
●エンジニアリング協会:平成30年度「エンジニアリング功労者賞・奨励特別賞」(第10回エンジニアリング奨励特別賞 )


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