研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
アグリ・バイオ
製品化/起業
実験動物の生体内深部を可視化する発光イメージング技術の開発に成功
キーワード :  発光イメージング、非侵襲、生体内深部可視化、近赤外発光、中・大型実験動物、脳神経、がん、幹細胞研究
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)  ハイリスク挑戦タイプ
研究開発課題名 生体内深部可視化を可能にする in vivo イメージング用発光材料の開発と工業製法の確立(開発期間:平成26年12月~平成28年11月)
プロジェクトリーダー所属機関 黒金化成株式会社 研究者 牧 昌次郎(電気通信大学)

我々は、中性かつ水溶性が高く675nmに極大発光波長を示すイメージング材料「seMpai」の上市に成功した。同じく、我々が上市した長波長発光材料である「TokeOni」を用いて、既存発光材料(D-ルシフェリン)とのイメージング性能を比較した結果、本研究で開発された技術が、生体内深部可視化に極めて有利であり、世界最高性能であることを、マウス肺腫瘍モデルを用いた実験により実証し報告した。(Nature Communications 7,11856, 2016)。さらに中・大型実験動物のモデルとしてマイクロミニピッグ(MMP)の生体イメージングを行い、世界で初めてMMPのイメージング画像の撮像に成功した。その後、理化学研究所によって開発されたAkaBLIシステム(Science 359 935-939,2018)によって応用分野が飛躍的に広がっている。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

我々が開発した発光イメージング技術では、これまで可視化することが困難であった生体内深部の現象を観察できる。本技術は、生命科学や医療技術開発をはじめとするライフサイエンスの研究ツールとして広く利用されている。特にがん治療、再生医療研究用途の需要は日本のみならず世界各国で急速に伸びている。理化学研究所のAkaBLIシステムの登場で我々の発光イメージング技術はデファクトスタンダードとなった。

開発者の声

JSTの新技術説明会を機に電気通信大学 牧先生と出会い、産学官連携を始めた。研究開発が進む過程で、牧先生に引き合わせ頂いた東京工業大学(現自治医科大学)口丸先生、理化学研究所 宮脇先生、岩野先生ら多くの研究者との協同によって製品化が実現できた。心から感謝を申し上げたい。
この先はグローバル進出と市場拡大を目指す。

黒金化成(株)製品紹介ページ

この成果は、電気通信大学、東京工業大学および理化学研究所からプレスリリースとして発表されています。
●生体深部の癌細胞などを可視化する新たな標識材料:ルシフェリンアナログ『seMpai』を開発(電気通信大学)[2018年12月]
●脳の深部を非侵襲的に観察できる人工生物発光システムAkaBLI―霊長類動物にも適用可能、高次脳機能のリアルタイム可視化への応用-(理化学研究所)[2018年2月]
●体の深部を探る世界初の近赤外発光基質を開発―生体発光イメージングの感度を飛躍的に高め、創薬研究の推進に貢献―(東京工業大学)[2016年6月]


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