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研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)

平成15年度実施課題 事後評価報告書



平成17年1月
科学技術振興審議会技術移転部会独創モデル化評価委員会


5. 評価結果
(2)研究開発課題の個別評価
 64 (H15−0235)X線3次元顕微鏡

企業名 :東芝ITコントロールシステム株式会社
研究者(研究機関名) :仁木 登(徳島大学 工学部 光応用工学科 教授) 他4名

1 ) モデル化の概要および成果
 スキャン対象物が軟体であっても影響無くスキャン可能なスキャナ回転型高分解能2次元顕微鏡装置を試作した。無歪み高分解能・固体2次元X線ディテクタ、数μmの画像精度を確保したスキャナ機構、3次元顕微鏡画像構築ソフトを組み込み、ピラミダル(4角錐)X線ビームの3次元顕微鏡を実現した。試験は継続中であるが、計測時間3分、空間分解能5μm、正常細胞とがん細胞を明確に表現する低コントラスト濃度分解能を達成見込みである。
 今後も開発を進め、現在の医療用X線CTの空間分解能を数10倍上回るX線3次元顕微鏡で病理レベルの高度診断を実現できれば医療に大きく貢献できる。また、半導体、モバイル機器等の電子機器、繊維産業等の一般産業分野、及びバイオ関連への応用も可能である。

2 ) 事後評価
モデル化目標の達成度
 計測時間3分、空間分解能5μm、正常細胞とガン細胞を明確に表現できる低コントラスト濃度分解能を達成見込みである。
知的財産権等の発生
 出願を予定している。
企業化開発の可能性
 企業化開発の早期実現が期待できると考えられるが、性能改良と装置のコンパクト化が必要である。
新産業、新事業創出の期待度
 医療以外にも半導体や電子機器、バイオ関連等、工業全般への寄与が期待される。
3 ) 評価のまとめ
 企業化に成功すればガン診断などに大きく貢献できるであろう。だが、企業化には性能、機能の改良と医療の現場で許されるコンパクトな装置形状の達成が必要である。医療を主な分野として開発した装置であるが、半導体、モバイル機器等の電子機器、繊維産業等の一般産業分野及びバイオ関連分野、さらにはディジタルエンジニアリングの利用により工業全般への寄与が期待される。

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