1 ) |
モデル化の概要および成果 |
本モデル化では、DCT(離散コサイン変換)を用いて画像信号をバーコード変換にすることを中核技術としたものである。これはDCT振幅と正負の符号をそれぞれ独立して利用するもので、対象となる信号の識別のために必要最小限の情報を極めてコンパクトに取り出すことを可能としたものである。この技術は従来のバイオメトリクスによる認証と違って、画像そのもののパターンマッチングなどは行わず、認証の際、バーコードさえ読み取れば、照合できる。したがって従来のバイオメトリクス認証より、処理時間は大幅に短縮し、コストも低くなる。
本モデル化において上述した技術に基づき、新しい個人認証セキュリティ装置を試作した。モデル化目標では、セキュリティシステムの他人受入率ではほぼ目標値に達したものの、本人拒否率は目標値に届かなかった。原因としては、認証時の照明条件やカメラと認証者の距離変化を補正できていないことだと分析できた。今後は認証精度の向上を目指し、ソフトとハードの両面から認証機構の改善と評価試験を繰り返して、製品化を目指していく。
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2 ) |
事後評価 |
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モデル化目標の達成度
他人受入率ではほぼ目標値に達したものの、本人拒否率は目標値に届かなかった。 |
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知的財産権等の発生
モデル化期間中の特許申請はない。 |
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企業化開発の可能性
被験者とセンサの距離変化、量子化ノイズ、基板化といった問題点は解決可能と思われる。これらを解決すれば、認識高速性の利便さで企業化は可能と考える。 |
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新産業、新事業創出の期待度
残された技術課題解決と認証精度が向上すれば新事業創出が期待できる。 |
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3 ) |
評価のまとめ |
警備関係の各種技術の高速認識技術提供につながるシステムである。試作機の開発が完了したのであるから、今後は空港警備などの実際の現場データの収集が重要である。信頼性向上のための開発努力を期待する。 |