1 ) |
モデル化の概要および成果 |
補聴器の利用が困難な重度聴覚障害者向けの支援機器は非常に少ないのが現状である。本課題ではこのような重度聴覚障害者に対し、触覚を介して音声情報を提示させる方式を使い、健常者とのコミュニケーションを可能とする支援システムの開発を行った。
マイクロホンからの音声情報を信号処理し、人の指先で識別できる振動パターンに変換する事によって音声を識別することを目的とし、読話が難しいとされている「ウ段」の7つの子音を触覚でどれだけ識別できるかを課題の目標とした。目標値を70%以上に設定して課題に取り組んだ。結果として、目隠しをした状態で63%程度の識別率が得られた。ただし、訓練時間の問題や被験者の年齢等で適切性を欠いていたこと及び読話併用等のことを考慮すれば、目標の70%はクリアできると考えている。今後、更なる識別率の向上や、触覚の振動時に発生する振動音等が課題である。なお、本課題の開発を通じて視覚障害者に触覚を介して伝達できる情報があり、視覚障害者に対する有用な支援システムへも展開できることがわかった。
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2 ) |
事後評価 |
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モデル化目標の達成度
モデル化目標の64チャンネル20dBの要素技術を達成した。最も難しい子音識別率は健常者テストで63%であり若干目標値を下回ったが、全体として目標値をほぼ達成したと言える。 |
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知的財産権等の発生
発生なし。 |
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企業化開発の可能性
製品化するためにはまだいくつかの解決すべき課題が残されているが、実用化が待ち望まれている製品であり、特殊市場ではあるが、企業化の可能性はあると考えられる。 |
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新産業、新事業創出の期待度
聴覚障害者のために先駆けとなる新しい産業が期待される。また、視覚障害者や盲聾者用バリアフリー支援システムへの応用展開が可能な新事業創出が期待できる。 |
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3 ) |
評価のまとめ |
モデル化の目標値はほぼ達成し、今後製品化する上での課題解決の見通しも得られていることから、重度聴覚障害者への支援システムとしての製品化が期待できる。また、さらに他の聴覚障害者への有用な利用方法や視覚障害者のためのコミュニケーション支援(音声認識の補助)ツールとしての応用も可能であることが判明しており、今後の新産業の創出が期待できる。 |