チームリーダー : |
小関 英一【(株)島津製作所 基盤技術研究所 主幹研究員】 |
サブリーダー : |
岩田 錬【東北大学 サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター 教授】 |
中核機関 : |
(株)島津製作所 |
参画機関 : |
東北大学、京都大学、岡山大学
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- T.開発の概要
- これまでにマイクロフローセルを反応場とした18F-標識PETプローブ合成法を開発し、高速・高収率でプローブ合成が可能であることを明らかにしてきた。本手法は低分子PETプローブの合成に加えて、種々の疾患組織・細胞特異的に結合するペプチド、タンパク質、抗体の18F-標識に拡張することがでる。本開発では、18F-標識ペプチド・タンパク質合成を実証し、実用に供する装置を実現することを目的とする。本装置によりPET技術が広い範囲の疾病の診断または、創薬研究に利用できるようになることを期待する。
- U.開発項目
- (1)高速化(各要素反応のフローセルの設計と反応条件の最適化による合成時間の短縮)
- [18F]SFB合成については、各要素反応のフローセルの流路設計(反応液の混合能向上)と反応条件の最適化により、18F濃縮過程も含めて35分以内に合成が完了でき、ペプチドへの標識反応も含めて60分以内に完了できることを確認している。また、NEXTA法については、酵素反応時間を数分に短縮できる条件を見出し、フロー合成に適用できる条件を開発した。
- (2)HPLCとの接続技術の開発
- 合成反応と精製をワンフローで連続で行う事を可能とした。但し、HPLC(高速液体クロマトグラフ)との直結については、合成装置とHPLCをホットセル内に設置するためには、現行のHPLCのサイズを小さくする必要があるため、別途専用精製部を開発し合成装置に組み込んだ。
- (3)小型化・簡素化、並びに操作性の改善(操作ソフトの開発)
- 装置の大きさを400mm × 400mm × 400mm(制御部を含む)とし、全体のフローを一画面に表示するとともに、必要に応じて温度、電圧、放射線量、及びガス流速についてグラフ表示を行い、時間軸及び各種計測値を大きさに応じた段階的表示を可能としたる。
- V.評 価
- マイクロフローセルにおいて高速・高収率での合成とHPLC装置による分離精製に基づくPET用18F標識プローブ調製装置の開発に成功した。開発装置は小動物の体内動態解に適用できることが実証されているが、この種の装置は世界でも未だ市販品が無いことから、主として診断・創薬分野への展開を念頭においた本装置の早期実用化が期待される。本開発は当初の開発目標を達成し、本事業に相応しい成果が得られたと評価する[A]。
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