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2017AAAS年次総会にて持続可能な開発目標の達成に向けた科学技術イノベーションの貢献に関するワークショップを開催
2017年2月16日~20日 ボストン(米国)

持続可能な開発目標(SDGs)への科学技術イノベーションの貢献 http://www.jst.go.jp/pr/intro/sdgs/index.html

2月16日~20日まで、米国ボストンにて米国科学振興協会(AAAS)年次総会が開催され、JSTは「科学技術イノベーションによる持続可能な開発目標(SDGs)への貢献(以下、STI for SDGs)」に関するワークショップを開始しました。

JSTではSDGsがCOP21,仙台防災フレームワークと並んで2030年までの地球規模課題の世界の共通の挑戦課題になるとの認識の下、科学技術イノベーションのSDGsへの貢献について対応を検討してきました。その一環として、SDGsが一般の人々を含む多様なステークホルダーを巻き込んで議論すべきものである点、世界的に見ても国内でもSDGsが十分認識されていないこと等に対処するため、世界で開かれる科学フォーラムでセッションを設けて議論してきました。今回のセッションは、昨年11月の東京で開かれたサイエンスアゴラでのセッション、12月に南アフリカ科学フォーラムでのセッションに続いて、開催されたものです。

本ワークショップでは、JSTに加えて、南アフリカの科学技術省(DST)とドイツの研究支援機関であるドイツ研究振興協会(DFG)よりSTI for SDGsに対する取組や方針を報告いただきました。特に、南アフリカは2012年に持続可能な社会に向けたサミットを自国で開催し、国内の成長戦略に科学技術イノベーションが欠かせないと認識し、政府として研究拠点の形成や人材育成に力を入れているとのことでした。

また、SDGsを実装していくためには多様なステークホルダーの連携が求められるため、本ワークショップでは、日本の政府機関・大学・企業からコメントや期待を述べていただきました。最初に、外務大臣の科学技術顧問である岸輝雄顧問から、日本政府が昨年12月に決定したSDGs実施方針を踏まえ、研究開発支援機関や大学への期待が寄せられました。東京大学の相原博昭副学長からは、東京大学で開始したスポーツ科学などの分野横断的な取組について紹介いただきました。企業からの視点として、日立製作所の武田晴夫技師長からは、SDGsの達成に向けて企業経営に資する指標の必要性や、エビデンスに基づく標準化の重要性を提案いただきました。また、日本工学アカデミーにおいてSTI for SDGsプロジェクト立ち上げ、科学的根拠を基にしたインデックスの構築を進められていること、企業においてSDGsを中心としたマネジメントも実践していくことを語ってくださいました。

さらに、国際開発援助機関にて活躍する世界銀行の金平直人氏は、既存の多様な活動をマッピングすることで、政府機関・企業・専門家等それぞれがSDGsの達成に向けて思慮深く協働していくことが求められていると述べられました。そして、当日、本ワークショップに参加されていた総合科学技術イノベーション会議の原山優子議員より、科学技術イノベーションがもたらす恩恵と課題を踏まえつつ、既存の分野、組織を超えた活動を推進すべきとのコメントが寄せられました。最後に、国連より指名された10名の専門家グループ会議の議長を務める、AAASのコルグレイザー博士より、今年5月に国連にて開催されるSTI forumの概要が紹介され、将来的にドイツや日本、南アフリカが議長として議論を先導していくことへの期待が寄せられました。また、STI for SDGsに関して人材育成に加えて、昨今の紛争や移民問題に対する国際社会の平和構築や包括的機関の構築へも貢献できることを指摘されました。

本ワークショップでは、南アフリカ、ドイツ、日本にて推進している事例や取組等を共有し、多様なステークホルダーの視点からSDGsの達成に向けて科学技術イノベーションの役割について意見交換ができました。JSTは、今後、本年11月に開催される世界科学フォーラムをはじめとして多様なステークホルダーの参加を得たSDGsに関する議論を繰り広げると共に、課題解決に向けた基礎研究から産学連携研究開発支援を推進し、次世代の科学技術人材の育成やシンクタンク機能を活かし、STI for SDGsに資する様々な取組を推進していく所存です。