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社会技術研究開発センター(RISTEX)が2012年度の研究・技術計画学会賞を受賞

社会技術研究開発センター(RISTEX)及び有本建男・同センター長は、2012年度の研究・技術計画学会賞を受賞しました。本学会賞は、科学技術の経営と政策分野における実務的学際研究ないし実務的活動において、輝かしい成果を挙げた研究者、実務家、行政官等を対象にして選考されたものです。このたびの受賞理由は、「科学技術と社会について、先行的課題としてとりあげて開拓を図ったこと、ならびに当該分野の方向性を定めて精力的に導いたこと」についてです。

RISTEXでは、2001年7月の事業開始以来、社会の具体的な問題の解決に役立つ研究開発により、新しい社会的・公共的価値の創出を目指した活動を行っています。このため、研究開発のスタート段階から、成果の社会実装を強く意識しつつ、研究者と様々な立場の関与者が協働し、自然科学と人文・社会科学の知識や経験も活用した研究開発を推進しています。

今般の受賞の背景となったRISTEXの最近の活動実績・成果として、2011年3月の東日本大震災において、「津波災害総合シナリオ・シミュレータ」の開発と本ツールを活用した住民や小中学生への防災意識啓発・教育活動により、活動拠点の一つである岩手県釜石市において、当日登校していた小中学生約3千人が津波から全員無事に避難した「釜石の奇跡」につながった他、「緊急研究開発成果実装支援プログラム」を迅速に立ち上げ、被災地の早期の復興支援につながる顕著な成果を得ました。更に、震災復興と社会技術の役割を考えるシンポジウムを昨年夏に仙台で開催するなど、早いタイミングで被災者の声を聞き、これを踏まえ、2012年度より、社会をより強くしなやかなものにするための「コミュニティがつなぐ安全・安心な都市・地域の創造」研究開発領域を立ち上げました。

RISTEXでは、今回の受賞を、これまで当センターの研究開発・成果実装活動に従事・参画された関係各位のご尽力の賜物と受けとめております。受賞を契機に、今後とも「社会における、社会のための科学」をキーワードとして、具体的な社会問題の解決に寄与する研究開発を精力的に進めていきたいと考えています。