【用語解説】
糖尿病
 糖尿病とは、インスリン分泌不全、あるいは、インスリンの標的細胞での作用不全の結果生じる糖・たんぱく質・脂質の代謝異常のことです。治療は過食と肥満の回避、運動によるインスリン作用の増強を基本とし、インスリン投与により代謝異常を改善し、合併症の発症予防と進展抑制を図るのが主流です。

血糖
 通常は、血中に存在するグルコースのことを言います。健康者の血糖値は、インスリンの働きにより、80~150mg/dl程度の狭い範囲に収まっています。
 インスリン分泌不足などにより、高血糖状態となると、直ちに生命に危険が及ぶこともあります。また逆に、インスリン製剤等の過剰投与等により低血糖状態になると、脳の働きに支障をきたしてしまいます。そのため、インスリン療法では、血糖値のモニタリングが重要となります。

携帯用血糖値測定器
 インスリン療法では、血糖の値によって、インスリン投与量や食事をコントロールすることが必要となるため、細やかに血糖値を把握することが重要となります。そして、携帯用血糖値測定器の出現により、患者自身がどこでも簡単に血糖値を測定することが可能となりました。既存の血糖測定器では、グルコース酸化酵素(GOD)による電気化学的反応を利用した方式が主流です。

サイクリックボルタンメトリー法
 サイクリックボルタンメトリー法は酸化・還元反応の状態を研究する手段として化学の広い分野で有効な測定法です。サンプル溶液の中に電極を浸し、電位を繰り返し走査して流れる電流を計測することで、物質に関する反応速度定数や標準酸化還元電位等が分かります。本新技術ではこれを血糖値測定に応用しています。

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This page updated on May 26, 2003

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