科学技術振興事業団報 第298号
平成15年3月6日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報室)
URL http://www.jst.go.jp/

再生医療の基幹技術、「幹細胞操作技術」の開発に成功
プレベンチャー事業で大学発ベンチャー企業設立

−多分化能を持つ不死化細胞株や培地とその応用製品の製造、販売等を行う−

 科学技術振興事業団(理事長 沖村憲樹)では、平成11年度より大学等の研究成果をベンチャービジネスにつなげていくための起業化に向けた研究開発を行う新規事業志向型研究開発成果展開事業(プレベンチャー事業)を実施してきました。
 この度、プレベンチャー事業において平成12年度より開始しました研究開発課題「幹細胞操作技術」の研究開発チーム(リーダー:帯刀益夫、サブリーダー:鈴木義久)のメンバー他が出資して、ベンチャー企業 株式会社ファクト(社長:鈴木義久、本社:宮城県仙台市、資本金:1,100万円)を平成15年2月21日に設立しました。
 近年、事故や病気で組織や臓器を欠損させてしまった場合、欠損組織等に分化する機能を保持した幹細胞を用いて欠損部分を元の組織に再生させる再生医療が注目を集めています。その研究開発のためには、分化を自由に制御できる細胞株が不可欠です。
 本チームは、アカゲザルの腎臓の細胞から分離されたウィルスの不死化遺伝子(SV40ラージT抗原遺伝子)を母マウスに導入し、産ませた子供の骨髄から取り出した幹細胞を、培地のアミノ酸、ビタミン類、塩類やインシュリン等の成長因子の配分と温度制御を厳密に行うことにより、分化能を保持したまま不死化した幹細胞の長期培養技術を開発しました。
 本技術の幹細胞株は、必要に応じ、筋、骨、脂肪及び血管系の細胞等に分化誘導させることができ、再生医療のための細胞分化の新薬開発のスクリーニングキットに有用です。
 また、本技術は、神経細胞など生体組織を構成するあらゆる組織機能細胞に対しても適用が可能なため、臓器再生における成長因子及び分化誘導物質の特定等バイオサイエンスの基幹技術として、広範な利用が期待されます。
 細胞培養関連(ヒト及び動物細胞、培地及び細胞利用技術)を含む再生医療の世界市場規模は2010年に1兆5千億円に達すると予想されています(当社の独自調査)。当社は、新薬開発のスクリーニングキットや幹細胞培養装置を中心に、100億円/年の売り上げを目指します。

 なお、本件についての問い合わせは、企業化開発事業本部 技術展開部 新規事業創出室 (電話03−5214−0016) 服部又は金子までご連絡下さい。

新規事業志向型研究開発成果展開事業は平成14年度より研究成果最適移転事業 成果育成プログラムC(略称;プレベンチャー)に継承されております。
企業概要
幹細胞操作技術の概要
不死化幹細胞と専用培地による分化誘導
開発した幹細胞株とそれを分化制御するスクリーニングキット


This page updated on March 6, 2003

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