幹細胞操作技術の概要



メリット
薬効を短時間で効率よく調査できる。
実験動物の飼育を必要とせず低コスト
動物虐待問題の解決
再現性が高い

<技術の説明>
1) マウス骨髄から骨や筋組織の元になる幹細胞を取出そうとする場合、取出した細胞は形態学的に酷似しているので目的の幹細胞を判断することはほとんど不可能である。また、取出した細胞が求める幹細胞かどうかを判定する誘導条件が不明なので、幹細胞の同定は非常に困難である。しかし、当該技術では、不死化細胞が得られるだけでなく、取出した細胞の温度感受性を利用し、ある特定の培養温度に細胞を移すだけで分化誘導を引起こさせるので、幹細胞の同定が容易である。
2) 具体的には、図に示すように、骨髄から取出した細胞を増殖用培地で、33℃で一定期間培養した後に血清を含む培地に置換し、37℃に移し一定期間培養する。移したこの温度条件下では、幹細胞であれば、細胞は増殖を停止させ分化の方向に向かう。タンパク質または遺伝子による分化マーカーの発現を検出することによって、求める幹細胞を容易に得ることができる。
このようにして得られた幹細胞の分化誘導能を利用することによって、血清中の分化因子の特定や新薬候補物質を一度に検定できるスクリーニングが実験動物に頼ることなく可能となる。

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This page updated on March 6, 2003

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