「戦略的基礎研究推進事業」平成11年度
採択研究代表者および研究課題一覧


4.研究領域「脳を知る」
研究代表者氏名 研究者所属及び役職 研究課題名
シゲモト リュウイチ
重本 隆一
岡崎国立共同研究機構
生理学研究所
教授
細胞膜上機能分子の動態と神経伝達調節メカニズム
タンジ ジュン
丹治 順
東北大学
大学院医学系研究科
教授
行動制御系としての前頭前野機能の解明
ヤオ ヒロム
八尾 寛
東北大学
大学院理学系研究科
教授
学習・記憶のシナプス前性メカニズムの解明
                                                 (アイウエオ順)

総評 研究統括 久野 宗

「脳機能の理解を促進する具体的な研究」

 平成11年度の「脳を知る」領域には63件の研究提案が申請され、統括と6名の領域アドバイザーにより選考を実施した。選考の手順は基本的に前年度と同様で、最初に、申請書の書類審査により12件の研究提案が2次選考(面接審査)に推薦され、その結果、3件が採択された。
 この領域の研究提案の募集に当たっては、「脳機能の理解を飛躍的に促進する研究」を奨励し、脳の統合機能との具体的関連の記載を希望した。現在では、当然、脳機能の分子的機構の探索あるいは遺伝子レベルでの解析を目的とした研究も企画される。しかし、この種の研究のすべてが必ずしも脳機能の理解に直接関連するわけではない。例えば、脳の発生、分化、誘導に関与する遺伝子の同定は、将来、有用な情報を提供することは疑いないが、これらの研究が記載のレベルの段階に留まるかぎり、脳機能の理解に直接貢献することは期待されない。脳研究にはそのような将来を踏まえて潜在的に重要なアプローチが存在するが、本領域の提案募集においては、現段階で具体的に脳機能の理解に貢献すると考えられる研究を重視した。実際には、(1)その提案研究がどの様な形で脳機能の理解に貢献するか、(2)提起している問題点は何かが明記されていることを重視した。そのような基準で評価した申請書から、独創性が高く、準備状況が十分で研究遂行の保証が高い提案を採択した。これらの採択された提案が「目に見える形で」脳機能の理解の促進に貢献することを期待したい。

This page updated on September 8, 1999

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