JST(理事長 中村 道治)は、大学などが実用化を希望する日本の国際知財戦略上重要な研究テーマについて、周辺特許を戦略的に確保して効果的に技術移転を進めるために必要な「特許群」(=実用化を想定した権利の確保ができるような特許の集合)形成を支援するため、平成24年度より新たに「特許化支援事業『特許群支援』」を開始し、特許群形成に関する提案を平成24年9月25日(火)から10月26日(金)まで大学などから募集します。
大学などの独創的研究成果は、企業、国の知財戦略の観点から、国際的な産業競争力の源泉として期待されています。しかし、現状では、個別の研究テーマについて知財形成戦略が十分に検討されているとはいえず、企業などが活用するにあたって権利範囲が不足しているなど、活用上の問題点が指摘されています。
JSTは、平成22年度より、大学などから実用化が期待される研究テーマに関する特許群形成に関する提案を募集し、これまで蓄積してきた特許の目利きや、評価のノウハウを活用※して、特許化の助言や費用的支援を試行してきました。
本年度より、以下の支援メニューにより、本格的に大学などの特許群形成を支援します。
1)大学などが提案した3年間の「特許群の形成計画」について、製品化・ライセンスにつながるように、JSTが市場ニーズ調査や知財強化などの助言・協力を行います。
2)特許群の形成には、外国特許出願支援制度を通じて特許群としての位置づけや有用性を総合的に審査した上、特許化費用の支援を行います。
大学などから募集した提案は、知的財産審査委員会専門委員会による審査のもと、支援する提案を決定します。また、平成24年度については、大学などの提案とは別にJST 各種事業から生まれた大学などの成果をJSTが選定して、大学などとJSTが共同で特許群を形成する試みを行います。
これらの支援を通じて、大学などが自らの成果を主体的、戦略的に権利化し、価値向上を図ることで、技術移転が促進され、国際競争力のある優れた製品開発や、新産業分野の開拓が促進されることを期待します。