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研究成果最適移転事業 成果育成プログラムA(権利化試験)
における平成12、13年度採択課題の事後評価報告書


平成16年6月
独立行政法人科学技術振興機構
科学技術振興審議会技術移転部会権利化試験評価委員会


(別紙2)研究成果最適移転事業 成果育成プログラムA(権利化試験)

平成13年度採択課題 事後評価結果

3.試験課題の個別評価
(5)課題名    熱電変換素子の開発
1)研究リーダー名
平井 伸治(室蘭工業大学 工学部 教授) 
2)試験概要と成果
 高い熱電特性を有する硫化ランタンを利用した高効率の熱電変換素子や冷却素子の実現を目指し、当該材料特性の改善、薄膜作製技術の開発、冷却素子の試作を行った。硫化ランタンの高い電気抵抗を低下させるため、熱電材料への各種添加材を検討した結果、チタンは電気抵抗を低下させ、パワーファクターの向上に有効であることが分かった。薄膜作製技術として、塩化ランタンとチオ尿素のアルコール溶液に浸漬した基板を引き上げるディップコーティングとその後の二硫化炭素ガスによる硫化処理による手法を開発した。また、新しいアイデアにより、外部電力の供給なしに冷却効果を発現させる放熱板を試作した。予想外のことではあったが、本希土類硫化物系の中には従来にない高誘電率を示す組成があることを見出した。

特許出願件数:国内7件、海外(PCT)1件*
3)総合評価
 高性能の熱電変換素子は多数の分野で強く望まれている製品であり、開発の必要度は高く、開発に成功すれば多数の新用途に利用され、新産業の創出にもつながり得るものである。本課題では関連技術の特許出願そのものは順調に進んだが、当初の主要目標であった希土類硫化物の熱電変換素子材料としての開発がなされていないのは残念である。即ち、熱電変換性能指数の向上に不可欠な電気抵抗率の低減に見るべきものがなく、また、結晶相、化学組成或いは構造等と電気的性質との相関関係も明確にしたとは言い難い。なお、派生的に従来にない高誘電率特性などを有することを見出し、本材料系が他の用途への可能性もあることを示した。
*)事後評価実施時点

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This page updated on July 15 2004

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