1)研究リーダー名 |
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實野 孝久 (大阪大学 レーザー核融合研究センター 助教授) |
2)試験概要と成果 |
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単一モード光ファイバーによる高速通信の普及のためには、光通信で用いられる末端系の接続ツール、光接続ユニット(ONU)などの通信デバイスの簡素化による低コスト化が必要との観点から、これらに共通して使用されている光ファイバー接続機構の簡素化に関する試験を行った。
具体的には、光ファイバー接続機構を新しいレンズ形成法を使用したファイバー用コリメーターで構成する部品の精度を下げてもファイバー通信の末端系に適用できる光ファイバー接続技術の実現を目指し、1)紫外線硬化樹脂を用いた液滴レンズによるコリメーターの開発、2)レーザーアブレーションによる収差の補正の開発を行った。
この結果、精度の高い部品を使用することなく、非常に簡単な組立作業で損失 の少ないファイバー用コリメーターの作成に成功した。収差の補正については、当
初の目標値に達しなかったため、原因追及により目標値まで改善するための方策を検討した。
特許出願件数:国内3件*
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3)総合評価 |
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光ケーブル通信網に用いられる光コネクターには、小型、高密度、低価格化への強い要請がある。
本課題は、この要請に応えるものとして有望な技術であり、特に樹脂を使ってファイバー先端にレンズを形成する技術に独自性があり、この関連の権利化が図られた。
一方、製品化のために、最適な樹脂の選択、対向伝達損失の低減、良品収率の向上や、製品特性のバラツキ低減など、更に追求を要する問題も多い。
なお一層の完成度向上を期待したい。 |
*)事後評価実施時点 |