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別紙2

日本における最近の動き

日本の政策担当者の間では、2011年3月の東日本大震災発生以前は、政策形成における科学と政府の役割及び責任に関してはほとんど議論がなされてきませんでした。しかし、東日本大震災および東京電力福島第一原子力発電所事故をきっかけに、この問題に対する社会的関心が著しく高まりました。そして、こうした社会的関心に対応して、次のような動きがみられました。

(1) 大震災後、ジョン・ベディントン英国政府主席科学顧問、フィリップ・キャンベルNature誌編集長、ブルース・アルバーツScience誌編集長、ジェーン・ルプチェンコ米国海洋大気局(NOAA)長官といった海外の有識者を交えたシンポジウムなどが何度も開催され、活発な議論が行われました。

(2) 2011年8月19日に閣議決定された第4期科学技術基本計画では、次のような記述が盛り込まれました。「国は、科学技術の成果等を、政策の企画立案、推進等に活用する際の課題など、科学技術と政策との関係のあり方について幅広い観点から検討を行い、基本的な方針を策定する。」

(3) 日本学術会議は、2011年9月22日、幹事会声明「東日本大震災からの復興と日本学術会議の責務」を出し、同会議の科学的助言機能の充実強化の必要性について述べ、科学者コミュニティーから統合的な知を形成し政府への助言・提言を行うことの重要性などを指摘しました。

(4) 2011年10月28日には、内閣府特命担当大臣(科学技術政策)のもとに「科学技術イノベーション政策推進のための有識者研究会」が設置されました。12月19日に公表されたその報告書では、科学技術イノベーション顧問(仮称)の設置や、その事務局・シンクタンク機能の充実、日本学術会議との連携強化など、科学的助言機能の強化の必要性などが盛り込まれました。

(5) 本年3月、JST−CRDSは、海外における議論を踏まえつつ、日本の現状も考慮して「政策形成における科学と政府の役割及び責任に係る原則試案」をとりまとめ、同試案を含む戦略提言を公表しました。

(6) 日本学術会議は本年5月、日本学術会議改革検証委員会に「学術と社会及び政府との関係改革検証分科会」を設け、科学と政策形成の関係のあり方に関する検討を開始しました。

(7) 本年6月に公表された平成24年版科学技術白書においては、東日本大震災後、科学技術に対する国民の信頼が損なわれたというデータが紹介されました。同時に、科学的助言のあり方をめぐる海外の検討の状況が詳述され、日本においても有効な科学的助言の体制を構築することの必要性が強調されました。

(8) 本年8月6日に開催されたシンポジウム「科学と政策をつなぐ」では、民主党・自由民主党・公明党の国会議員および行政官も参加し、科学者コミュニティーと政府との対話の場が設けられました。