JST(理事長 北澤 宏一)は、クロアチア科学教育スポーツ省(MSES)注1)と共同で「材料科学」に関する3件の研究交流課題を支援することを決定しました。この支援は、戦略的国際科学技術協力推進事業(研究交流型)注2) 「日本-クロアチア研究交流」の一環として行われるものです。
支援決定した課題は次の通りです。
(1)「材料科学研究における表面の構造的・電子的・動的特性の理論的モデリング及びシミュレーション」
(研究代表者:大阪大学 笠井 秀明 教授、クロアチア物理学研究所 ブランコ・グムハルター 教授)
本課題は、原子レベルから物質のナノ構造や電気的性質を解明し、高機能エレクトロニクス材料の性質を理論的に調べ、新規材料の理論設計を実現するための理論手法やシミュレーション技術の開発を目指す研究です。
(2)「ダイヤモンドの新しい応用に向けた高エネルギーイオンマイクロビーム技術の開発」
(研究代表者:日本原子力研究開発機構 神谷 富裕 課長、ルジェル・ボスコビッチ研究所 ミルコ・ジャクシッチ 研究室長)
本課題は、先端材料の分析で用いられるイオンマイクロビーム技術を用い、次世代エレクロトニクス材料として有望なダイヤモンドを解析し、新しいダイヤモンドデバイスの開発を目指す研究です。
(3)「高速重イオンマイクロビームによる先進的分子イメージング法の研究」
(研究代表者:京都大学 松尾 二郎 准教授、ルジェル・ボスコビッチ研究所 トンチ・タディチ 助教)
本課題は、サブマイクロメートルの高分解能を持つ高速重イオンマイクロビームを開発することにより、有機太陽電池など機能性有機分子に対する新しい評価法や、生命科学における分子イメージング技術への応用を目指す研究です。
今回の研究交流課題の募集では、8件の応募があり、これらの応募課題を日本側およびクロアチア側の外部専門家により評価しました。JSTとMSESはその結果をもとに協議を行い、研究内容の優位性や交流計画の有効性などの観点から、日本―クロアチアともに支援すべきと合意した3件を支援課題として決定しました。
- 注1) クロアチア科学教育スポーツ省(Ministry of Science,Education and Sports of the Republic of Croatia(MSES))
- クロアチア政府の教育や科学技術、スポーツ政策全般を担う政府機関。研究活動を支援する他、研究機関および科学技術の人材育成にも力を入れています。
- MSESホームページURL:http://public.mzos.hr/Default.aspx?sec=2428
- 注2) 戦略的国際科学技術協力推進事業(研究交流型)
- 政府間合意に基づき、文部科学省が特に重要なものとして設定した協力対象国・分野において、相手国の研究支援機関と共同で研究提案を公募・採択し、国際研究交流を支援します。
- 支援期間は3年間です。JSTは日本側研究者を支援し、支援規模は1課題あたり原則総額1500万円/3年を上限とします(間接経費を含む)。MSESはクロアチア側研究者を支援し、支援規模は1課題あたり原則総額60万クーナ/3年が上限となります。
- 戦略的国際科学技術協力推進事業ホームページURL:https://www.jst.go.jp/inter/index.html
<添付資料>
別紙: 戦略的国際科学技術協力推進事業(研究交流型)「日本-クロアチア研究交流」平成22年度採択課題一覧
参考: 戦略的国際科学技術協力推進事業(研究交流型)「日本-クロアチア研究交流」平成22年度採択に関して
<お問い合わせ先>
独立行政法人 科学技術振興機構 国際科学技術部
〒102-8666 東京都千代田区四番町5番地3
担当:仲 大地(ナカ ダイジ)、山村 将博(ヤマムラ マサヒロ)
Tel:03-5214-7375 Fax:03-5214-7379
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