研究交流課題 | 日本側 研究代表者 |
所属・役職 | 研究交流課題概要 | |
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中国側 研究代表者 |
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1 | 北東アジア域のブラックカーボンの発生、輸送過程の解明と気候影響に関する研究 | 近藤 豊 | 東京大学 先端科学技術研究センター 教授 | 本研究交流は、日中両国の都市域、風下域におけるブラックカーボン(BC)の濃度・光学特性、 COとCO2の長期間高精度観測を行い、中国の高時空間分解能BCエミッションインベントリを開発する。また中国におけるBC排出量規制に関する政策の提案、将来のBC排出量シナリオの構築と気候変動評価を目的とする。 日中両国の研究交流を通じて相互補完的に取り組むことで、北東アジア域の大気質・気候変動対策に最も効果的なBC排出量抑制、第5次IPCC(気候変動に関する政府間パネル)への貢献が期待される。 |
ハオ ジミン | 清華大学 環境科学工学研究院 教授 | |||
2 | 北太平洋縁辺海から外洋における生態系システムの気候変化に対する応答 | 植松 光夫 | 東京大学 海洋研究所 教授 | 本研究交流は、大陸から海洋へ供給される人為起源および自然起源鉱物粒子の挙動を把握し、これらの物質供給がもたらす気候変化と、その結果として生じる縁辺海並びに太平洋外洋域での生態系変化、および人間社会に対する影響を解明し、予測することを目的とする。 日中両国の研究交流を通じて相互補完的に取り組むことで、作成された統合データセットが東アジア域の自然起源、人為起源物質の時空間変化および全球の気候モデルの高度化に資することが期待できる。 |
ガオ ヒュウイウォン | 中国海洋大学 環境科学工程学院 教授 | |||
3 | アジアの巨大都市発展が地域から全球の気候変化に与える影響に関する研究 | 安成 哲三 | 名古屋大学 地球水循環研究センター 教授 | 本研究交流は、1)巨大都市からの大気汚染物質の排出と、その大気環境と局地・領域・全球気候へのフィードバックの定量化、2)アジアの巨大都市における大規模土地利用改変が、降水パターンなどの局地・地域の気候に及ぼす影響の調査、3)土地・水・大気改変を伴う巨大都市化・開発に対するアジアモンスーンシステムの弾力性の理解、を目的とする。 日中両国の研究交流を通じて相互補完的に取り組むことで、過去数十年から現在までの巨大都市からのエアロゾル排出および巨大都市開発に伴う土地被覆変化による気候・環境影響の定量評価とその将来予測に対する示唆を得ることが可能となる。 |
フー コンビン | 中国科学院大気物理研究所 教授(院士) | |||
4 | 二酸化炭素排出抑制に向けた光・熱ハイブリッド太陽電池の先端技術開発 | 河本 邦仁 | 名古屋大学 工学研究科 教授 | 本研究交流は、光電変換効率14-15%の実用レベルを達成する低コストな光・熱ハイブリッド太陽電池の開発を行うことを目的とする。 具体的には、中国側の色素増感太陽電池技術や太陽熱集熱コーティング技術と、日本側の熱電変換材料技術を組み合わせ、太陽電池にシリコン系電池の替わりに色素増感太陽電池を用い、熱電変換材料に無害・無毒な元素を組み合わせてできる化合物を使用することで製造コストと二酸化炭素排出量の低減を図る。また、太陽熱を効率的に吸収する集熱体を組み込むことにより、全体のエネルギー利用効率のみならず発電エネルギー密度を上げる。 |
オウ ニン | 中国電子科学技術大学 ミクロ電子および固体電子学院 副教授 | |||
5 | 三峡ダム貯水過程における領域気候効果に関する日中研究交流 | 佐藤 正樹 | 東京大学 気候システム研究センター 准教授 | 本研究交流は、世界最大の水力発電所である三峡ダムが局所気候や極端天気現象に与える影響を調べることを目的とする。 具体的には、中国側の長期間の現地観測データと、日本側の大気大循環モデルなどを用いて、三峡ダム領域気候実験を行うための領域気候モデルを開発し、三峡ダム領域の気候変化の機構を解析する。 日中両国の研究交流を通じて相互補完的に取り組むことで、日本側の気候シミュレーション能力の向上を図るとともに、将来予想される気候変化に伴う三峡ダム領域での気候変化について数値的な予測情報を提供することが可能となる。 |
チャン センエン | 国家気候中心 気候評価室 准教授 | |||
6 | 青海・チベット・モンゴル高原における草原生態系の炭素動態と気候変動に関する統合的評価と予測 | 唐 艶鴻 | 独立行政法人 国立環境研究所 研究員 | 本研究交流は、地球全体の気候システムに影響を及ぼす青海・チベット高原とモンゴル高原の草原生態系について、炭素蓄積量と炭素収支の変化、それらの変化に及ぼす気候・人為的影響を明らかにすることを目的とする。 具体的には、これまでのデータの収集・解析を行い、炭素蓄積量の空間パターンと生態系CO2フラックスの時間変動に及ぼす気候変化と人為的影響を明らかにし、2つ草原の炭素蓄積量の変化を予測する。 日中両国の研究交流を通じて相互補完的に取り組むことで、当該地域および関連する草原地域における温暖化関連の政策提が期待できる。 |
ホウ センウン | 北京大学 都市と環境学院 教授 |