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研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)

平成14年度実施課題 事後評価報告書



平成16年4月
研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)評価委員会


5. 評価結果
(2)研究開発課題の個別評価
 41 熱処理木材の流動性を利用した成型体の製造技術の開発(H14-0171)

企業名 :名古屋港木材倉庫株式会社
研究者(研究機関名) :木方 洋二(名古屋大学 農学部 名誉教授)

1 ) モデル化の概要および成果
 本技術開発は、蒸気加熱処理による木材成分の分解により生成する接着性物質及び流動性物質が一旦乾燥した後にも接着性及び熱流動が失われず、再加熱により木粉が流動・接着硬化するという木材の特性を利用した成型体の製造を検証し、その試作にあった。
 従来、これに近い利用方法として、木質原料を繊維化し、接着剤を使用して成型するファイバーボード(繊維板)がある。これは、繊維を物理的に接着剤で固化したものであり、根本的に本開発と成型原理に相違がある。
 本技術は、廃木材を有効に利用できるのみならず、化学薬品や接着剤を利用することなく、環境に負荷の少ない生分解性のある新素材として利用可能な技術である。
 製造方法は木チップをオートクレーブにて蒸気加熱し、自然乾燥、粉砕、(混合)フォーミング等の工程を経て加熱加圧し成型する。本技術開発で当初の目標であった密度1.4g/cm、厚さ1cm、一辺25cm角のフェノール樹脂様の極めて精緻で均一な型押し成型体の製造に成功した。この検討の中で、フォーミング方法、木粉の含水率のばらつきの改善、押出成型の研究開発等に新しい課題が生じたが、曲げ強さ・吸水率・外観等で良い評価が得られた。

2 ) 事後評価
モデル化目標の達成度
 ほぼ目標は達成したと考える。
知的財産権等の発生
 複数の特許出願が予定されている。
企業化開発の可能性
 企業化には種々の条件をクリアーする必要があるが、企業化の可能性は高い。
新産業、新事業創出の期待度
 本研究の企業化による新製品発売の成果は大いに期待される。
3 ) 評価のまとめ
 今までの研究は順調に推移しており、今後の企業の努力で商品化の可能性は高い。企業化の成果を期待する。


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This page updated on May 19, 2004

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