報告書 > 評価結果(2)研究開発課題の個別評価

研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)

平成14年度実施課題 事後評価報告書



平成16年4月
研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)評価委員会


5. 評価結果
(2)研究開発課題の個別評価
 29 超高速SAWコンボルバを使用した非圧縮デジタル化方式の完全動画・無線通信装置の開発(H14-0136)

企業名 :株式会社 アイデンビデオトロニクス
研究者(研究機関名) :山之内 和彦(東北工業大学 工学部 教授)

1 ) モデル化の概要および成果
 電波法の規定の中で、映像を無線で送受信するのに一般的なスペクトル拡散通信方式は回路が複雑で小型化、低価格化、多チャンネル化、高画質維持が困難である。これらの課題を解決するために開発した「映像の非圧縮デジタル化方式」をベースに、超高速SAWコンボルバモジュールを用いたCDMA通信方式による高画質映像の無線装置を開発し、多チャンネル化を実現する。更にASICによる超小型化を行い医療ロボットなどへの適用を進める。 2.4GHzの無線モジュール試作機を内蔵した小型無線監視カメラシステムは、国内で年間販売される監視カメラ30万台の当面10%程度の無線化を目標とするデモ機として開発した。続いて5.2GHzの無線機を医療用として超小型化する計画である。
※SAW:表面弾性波、CDMA:符号分割多重方式、ASIC:特定用途向け半導体

2 ) 事後評価
モデル化目標の達成度
 モデル化目標は達成している。ほぼ製品化直前にある。5.2GHz対応の高周波部品の入手困難による遅れは、業界の事情からみて止むを得ない。
知的財産権等の発生
 5.2GHz帯では特許申請可能な内容を検討している。
企業化開発の可能性
 可能性は大きいと考える。モデル化企業は当事者として、商品化目的、目標をしっかりもっている。
新産業、新事業創出の期待度
 高速・高画質が達成された試作品に関して、ホームセキュリティに対応するコストまで可能になれば大きな市場が期待できる。従来品と比較して明確な機能の特記がないため、市場展開のパイの大きさは予想し難い。
3 ) 評価のまとめ
 モデル化試作研究は完成に近い状態にある。商品化目的、目標もしっかりしており、実用化の可能性は大きいといえる。今後、モデル化企業自身による開発努力で製品化が可能と考える。


一覧に戻る 次へ

目次に戻る


This page updated on May 19, 2004

Copyright©2004 Japan Science and Technology Agency.