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研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)

平成14年度実施課題 事後評価報告書



平成16年4月
研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)評価委員会


5. 評価結果
(2)研究開発課題の個別評価
 24 蛍光/吸光/電気化学測定法コンパチブル光導波路型表面プラズモン共鳴バイオセンサ装置の開発(H14-0109)

企業名 :システムインスツルメンツ株式会社
研究者(研究機関名) :鈴木 孝治(財団法人 神奈川科学技術アカデミー 光科学重点研究室 グループリーダー)

1 ) モデル化の概要および成果
 従来、表面プラズモンセンサは単色光(レーザーなど)を光源に用い、共鳴角による暗線を測定し屈折率変化を高感度に検出する手法がとられてきた。本モデル化では、エバネッセント波を利用し吸収スペクトルを測定するスラブ型光導波路分光測定装置の技術を生かし、光導波路型表面プラズモン共鳴バイオセンサ装置を開発した。本装置の特徴は、白色光を入射、50nmの厚みのAuを蒸着した光導波路を用い表面プラズモン共鳴を起こすことである。
 この装置では共鳴角は効率の良い角度に任意設定、出射した光を分光器に入射、共鳴波長をスペクトルとして得ることにより屈折率変化を高感度に測定する。PC画面上で光学系制御情報とデータの一括管理ができ、光導波路型の特徴として光吸収スペクトル測定、蛍光測定、電気化学測定などの機能を併せ持つ。既存の装置がスクリーニングを目的にしている例が多く、流路系が汎用的ではないのに対し、流路をPDMS製とすることでオンライン測定、バッチ測定のどちらでも可能となる。
 バイオ分野のみならず、微量の機能性物質の試験研究をターゲットにした装置である

2 ) 事後評価
モデル化目標の達成度
 光導波路型表面プラズモン共鳴バイオセンサの開発は基本的性能の面で目標に達したが、蛍光/吸光測定に関してはまだ検討の余地がある。
知的財産権等の発生
 本モデル化に関する有用な特許が1件出願された。
企業化開発の可能性
 プラズモン測定のみで、既存の装置を凌駕するモデルができている。さらに蛍光/吸光測定を付け加えて実用化すると有力な装置となろう。
新産業、新事業創出の期待度
 従来の装置に比べ、幅広い材料(無機材料を含む)の解析ができる可能性があり、分析装置としての新市場が期待できる。
3 ) 評価のまとめ
 光導波路型表面プラズモン共鳴バイオセンサの開発は、既存の装置を凌駕するモデルができている。蛍光/吸光測定に関してはまだ検討の余地があるが、基本的検討は本プロジェクトの中でかなり進んでおり、モデル化は目標通り達成されたと言える。


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This page updated on May 19, 2004

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