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科学技術振興機構報 第484号

平成20年3月4日

東京都千代田区四番町5番地3
科学技術振興機構(JST)
Tel:03-5214-8404(広報課)
URL http://www.jst.go.jp

生物資源から細胞、培養器材を開発・製造・販売する企業設立

(JST大学発ベンチャー創出推進の研究開発成果を事業展開)

 JST(理事長 北澤 宏一)は、大学等の研究成果をベンチャービジネスにつなげていくために、起業に向けた研究開発を行う大学発ベンチャー創出推進を平成15年度から実施してきました。
 平成16年度に開始した研究開発課題「羊膜由来幹細胞を用いた細胞遺伝子治療用の細胞ベクターの研究開発」(開発代表者:桜川 宣男 北里大学 医療衛生学部 教授、起業家:横山 安伸)の成果をもとに、株式会社 二デックと桜川 宣男が出資して、「株式会社 生物資源応用研究所」(代表取締役社長 桜川 宣男、会社:愛知県蒲郡市、資本金:2,000万円)を平成20年2月6日に設立しました。
 生物資源のなかでも特に羊膜は特殊な組織であり、羊膜より分離・培養される細胞は多くの機能をもつ幹細胞注1)を保有し、他家移植注2)による急性拒絶を起こさない細胞です。また、膜成分の細胞外基質は細胞増殖を促進する機能を保持しています。
 本研究開発では、羊膜の細胞から幹細胞の機能を持つサイドポピュレーション細胞(SP 細胞)注3)の分離・培養技術を確立しました。また、本細胞はがん化しない安全な細胞であると同時に、他家移植が可能な細胞であり、細胞遺伝子治療には有望な細胞であることを証明しました。さらに羊膜の細胞外基質である膜成分の溶液化(可溶化羊膜)にも成功し、培養皿上にその薄膜を作製して幹細胞などを培養すると、細胞増殖が顕著に増進することを発見しました。
 本技術は、再生医学分野における細胞培養品質の向上に大きな貢献が期待されます。また、可溶化羊膜をコートした培養皿上で哺乳類の未受精卵を培養、成熟させる体外成熟培養(IVM)注4)にも成功したことから、畜産や育種、さらには不妊症の治療への貢献も期待されます。
 起業後2〜3年間は、可溶化羊膜の製造や販売を手がけ、5〜10年後には他家移植可能な羊膜由来幹細胞の販売により、年間売上額5億円を目指します。
 今回の「株式会社 生物資源応用研究所」設立により、プレベンチャー事業および大学発ベンチャー創出推進によって設立したベンチャー企業数は、65社となりました。

<用語解説>
■企業概要・事業形態

<本件お問い合わせ先>

株式会社 生物資源応用研究所 橋本事業所
代表取締役 桜川 宣男(サクラガワ ノリオ)
〒229-1131 神奈川県相模原市西橋本 5-4-30 SIC-2, No.304(工場)
Tel:042-770-9329, 090-8583-5285 Fax:042-770-9329

独立行政法人 科学技術振興機構 産学連携事業本部 技術展開部新規事業創出課
〒102-8666 東京都千代田区四番町5番地3
松本 葵(マツモト アオイ)、田治米 徹(タジメ トオル)
Tel:03-5214-0016 Fax:03-5214-0017