JSTトッププレス一覧科学技術振興機構報 第365号 >用語解説

<用語解説>

(注1)PCR法:
Polymerase chain reactionの略称で、試験管内で短時間に目的とするDNAを複製する手法です。反応温度を繰り返し上下させることで、DNA合成の連鎖反応を起こし、大量複製します。具体的には、1高温(95〜98℃)で鋳型となるDNAをほどき、1温度を下げて目的のDNA断片に相補的な2本の短い1本鎖DNA(プライマーという)を貼り付け、1DNA増殖至適温度(70℃前後)でプライマーからの相補鎖形成を行います。以上のサイクルをn回繰り返すことにより、1分子の鋳型DNAから2分子のDNA断片を得ることができます。

(注2)複製エラー:
DNA複製の際に、DNAを構成する塩基を間違えて写し取ること。鋳型と異なる塩基を複製したり、あるはずの塩基を複製しなかったり、あるいは余分な塩基を複製してしまう場合などがあります。

(注3)好熱性古細菌:
生物界は、真核生物、真正細菌、古細菌に分類されます。古細菌とは、高濃度の塩水や高酸性・高温の温泉水の中など、他の生物が生存しえない特殊な環境でしか生育できない細菌の総称です。核はないが、細菌とは異なる化学成分の細胞壁を持っており、真核生物と真正細菌の中間的存在です。好熱性古細菌とは、古細菌のうち通常55℃以上で生育できる菌をいいます。

(注4)アクセサリー蛋白質:
本技術で改良したアクセサリー蛋白質は、DNA合成時にDNA合成酵素を鋳型DNA鎖に装着させ外れないようにしておく役割をしており、これをDNA増幅系に添加した際には伸長度が向上することが期待されます。

(注5)バッファー:
緩衝液ともいい、この溶液に酸またはアルカリを添加しても急激にpH変化が生じないという性質を持っています。生化学や生物学の実験において、pHコントロールの目的で広く用いられています。