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科学技術振興機構報 第271号

平成18年3月24日

東京都千代田区四番町5−3
科学技術振興機構(JST)
電話(03)5214-8404(総務部広報室)
URL http://www.jst.go.jp

電子アーカイブで過去の学術雑誌を初公開
(明治期からの日本の研究の探索が可能に)

 JST(理事長 沖村憲樹)は、日本の学術雑誌を過去に遡り電子化しており、創刊号などアーカイブ化が完了した52誌を、平成18年3月27日(月)から『Journal@rchive』のサイトで公開いたします。
 JSTでは、平成11年度より日本の学協会の学術雑誌の電子化を促進し、インターネットを通じて公開する科学技術情報発信・流通システム(J-STAGE)注1を運用しており、現在270誌以上の雑誌が公開され、読者の利用も急激に増えています。
 近年、海外では学術雑誌を創刊号から電子化する動きが急速に進み、過去に遡って電子化されていない雑誌は国際競争力を著しく失う可能性が高まってきています。このような情勢を受けて、国内の学協会から過去の雑誌の電子アーカイブ注2化について強い要望があり、JSTは平成17年度から電子アーカイブ事業を開始しました。
 電子アーカイブ事業では、国内の学協会の学術雑誌の国際発信力をさらに強化するとともに、日本の知的財産の保存を目的として、紙媒体の雑誌を創刊号から電子アーカイブ化し、全文公開します。これまで、国内の学術雑誌に関する調査結果を踏まえ、日本学術会議の協力を得て組織した電子アーカイブ対象誌選定委員会(委員長 黒川清 日本学術会議会長)で対象誌を選定し、順次データの作成を実施してまいりました。
 3月27日の公開により、対象誌の中で最も古い1880年(明治13年)発行の東京化学会誌(日本化学会誌の前身誌)の創刊号や、湯川秀樹博士や朝永振一郎博士のノーベル賞受賞論文、さらに日本で初めての女性理学博士である保井コノ博士の論文などが世界中から閲覧できるようになります。
 本事業は、平成18年度以降も新たに雑誌を選定して対象を拡大する予定で、今後、自動的にページをめくってスキャンするロボット注3を導入することにより、さらに効率的な電子アーカイブの作成を進めていくこととしております。

インターネット公開日: 平成18年3月27日(月)
URL:http://www.journalarchive.jst.go.jp
サイト名称:Journal@rchive (ジャーナルアーカイブ)


 JSTは、過去の日本の学術雑誌を電子アーカイブ化し、平成18年3月27日(月)から『Journal@rchive』(URL:http://www.journalarchive.jst.go.jp)のサイトで公開いたします。
 平成17年度の対象誌は、国内の学協会の学術雑誌に関する調査結果を踏まえ、日本学術会議の協力を得て組織した電子アーカイブ対象誌選定委員会(委員長 黒川清 日本学術会議会長)において選定した74誌です(資料1)。
 3月27日に公開される範囲は平成17年度対象誌のうち、創刊号などアーカイブ化が完了した52誌の10万ページ余で、残りの部分は順次追加し、平成18年度末に完了できる見込みです。

 各誌の創刊年は多様で、1880年(明治13年)発行の東京化学会誌(日本化学会誌の前身誌)を最古に、明治期創刊の5誌など戦前からの13誌が今回初めて公開されます。また、湯川秀樹博士や朝永振一郎博士のノーベル賞受賞論文、日本で初めての女性理学博士である保井コノ博士の論文、博学で知られる南方熊楠の粘菌に関する論文などが世界中から閲覧できるようになります。
 また、公開される雑誌には、理学系11誌、生物学系5誌、工学系11誌、農学系7誌、医学・薬学系15誌、人文科学系3誌が含まれ、科学技術に限らず幅広い分野がカバーされています。平成17年度に選定したものは、現在英文誌として発行されているものが中心ですが、その多くは今までに出版言語を変えてきており、日本語で読める論文も多く収録されています。また、それ以外にも、アインシュタインのもとで学んだ石原純による理論物理学に関するドイツ語論文(1915年)なども読むことができます。

 公開システムである『Journal@rchive』は、J-STAGEで培われた電子ジャーナル技術を電子アーカイブの大容量データに対応させたもので、J-STAGEと同様の引用リンク、被引用リンク注4や全文検索を実現させており、J-STAGEに収録されている最近の雑誌データとも相互にリンクしています。
 データ作成においては、学協会から提供された紙媒体の冊子を表紙から裏表紙までスキャンし、高精細な保存用画像を作成した後、OCR(光学式文字読み取り)した全文テキスト付きのウェブ公開用のPDFを作成します。また、これをサイトで公開するために書誌(記事標題、著者名、掲載誌名・巻・号・ページ)や抄録などのテキスト情報を作成し、目次などの表示や検索に使用します。
 本事業は、平成18年度以降も新たに雑誌を選定し対象を拡大する予定です。また、5月に自動的にページをめくってスキャンするロボット(処理速度は1時間に約1,200ページ)を日本で初めて導入することにより、さらに効率的な事業推進と良質な電子アーカイブの作成を進めてまいります。

用語解説
参考資料 公開予定の主な論文
資料1 平成17年度電子アーカイブ対象誌一覧

【お問い合わせ先】

 和田 光俊(ワダ ミツトシ)
 独立行政法人 科学技術振興機構 情報事業本部 文献情報部 電子ジャーナル課
 〒102-8666 東京都千代田区四番町5−3
 TEL: 03-5214-8455 FAX: 03-5214-8460
 E-mail: