JST(理事長 沖村憲樹)では、平成15年度より大学等の研究成果をベンチャービジネスにつなげていくために、起業化に向けた研究開発を行う独創的シーズ展開事業大学発ベンチャー創出推進(注1)を実施してきました。
この度、平成15年度に開始しました研究開発課題「神経変性疾患と虚血性疾患治療薬の開発」(開発代表者:井本 正哉 慶應義塾大学教授、起業家:望月 順一朗)の研究開発チームは神経変性疾患*1や虚血性疾患*2に有効なペプチド化合物BAXIP(Bax Inhibitor Peptide)を創製しました。
アルツハイマー病、パーキンソン病等の神経変性疾患あるいは虚血性疾患においては細胞内でアポトーシス(細胞死)促進の機能を有するBax蛋白の発現上昇が認められていますが、BAXIPはこのBaxの機能を阻害するペプチドの総称で、細胞死を抑制する薬理効果を有します。神経変性疾患や虚血性疾患は治療薬が少なく、また、従来の治療薬では効果が認められない場合も多いのが現状ですが、BAXIPのアポトーシス阻害という新規作用機序はこのような薬剤不応のケースに有効性が期待できます。
本事業の成果を引き継ぎ、BAXIPの医薬としての開発を更に推進していくために、チームメンバーと協力支援者らの共同出資による大学発ベンチャー企業・株式会社Pharmish(Pharmish Inc.)[代表取締役:望月 順一朗、本社:神奈川県横浜市西区、資本金:1,200万円]を2005年9月21日に設立しました。今後、医薬品としての最適化を図った上で、2007年に前臨床試験、2008年に第
相臨床試験を開始する予定です。
更に、株式会社Pharmishでは上記疾患領域に加えて癌領域においても独特の化合物ライブラリー*3を用いてBAXIPに続く新規作用機序医薬品*4リード化合物*5の探索・開発を推進していくことを事業計画の一つとしており、これらの活動を通じて新規作用機序医薬品を市場に提供することで医療現場の真の希求に応えていきます。ライセンス収入等で2009年度には約5億円の年間売り上げを目指します。
この度、平成15年度に開始しました研究開発課題「神経変性疾患と虚血性疾患治療薬の開発」(開発代表者:井本 正哉 慶應義塾大学教授、起業家:望月 順一朗)の研究開発チームは神経変性疾患*1や虚血性疾患*2に有効なペプチド化合物BAXIP(Bax Inhibitor Peptide)を創製しました。
アルツハイマー病、パーキンソン病等の神経変性疾患あるいは虚血性疾患においては細胞内でアポトーシス(細胞死)促進の機能を有するBax蛋白の発現上昇が認められていますが、BAXIPはこのBaxの機能を阻害するペプチドの総称で、細胞死を抑制する薬理効果を有します。神経変性疾患や虚血性疾患は治療薬が少なく、また、従来の治療薬では効果が認められない場合も多いのが現状ですが、BAXIPのアポトーシス阻害という新規作用機序はこのような薬剤不応のケースに有効性が期待できます。
本事業の成果を引き継ぎ、BAXIPの医薬としての開発を更に推進していくために、チームメンバーと協力支援者らの共同出資による大学発ベンチャー企業・株式会社Pharmish(Pharmish Inc.)[代表取締役:望月 順一朗、本社:神奈川県横浜市西区、資本金:1,200万円]を2005年9月21日に設立しました。今後、医薬品としての最適化を図った上で、2007年に前臨床試験、2008年に第

更に、株式会社Pharmishでは上記疾患領域に加えて癌領域においても独特の化合物ライブラリー*3を用いてBAXIPに続く新規作用機序医薬品*4リード化合物*5の探索・開発を推進していくことを事業計画の一つとしており、これらの活動を通じて新規作用機序医薬品を市場に提供することで医療現場の真の希求に応えていきます。ライセンス収入等で2009年度には約5億円の年間売り上げを目指します。
(注1)平成16年度までは「大学発ベンチャー創出推進事業」として実施。
■企業概要 |
■事業形態 |
■製品例 |
用語解説
*1 神経変性疾患 : | アルツハイマー病やパーキンソン病等、原因は明確に特定できていないが、神経細胞が徐々に死滅、損傷していく病気。一般的に症状がゆっくりと現れる。 |
*2 虚血性疾患 : | 血流が阻害され、特に酸素需要が充足されない場合に起こる病態。最終的に細胞死が起こる。虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、脳虚血、肝臓虚血等。 |
*3 化合物ライブラリー : | 医薬品の探索源等として利用価値のある化合物を集積し、ライブラリー化したもの。株式会社Pharmishでは天然物由来化合物をベースに独特の工夫を凝らした化合物ライブラリーを創製し、医薬品の探索に利用する計画です。 |
*4 新規作用機序医薬品 : | 従来にない新しい作用機序に基づく医薬品。 |
*5 リード化合物 : | 医薬品の元となる化合物。リード化合物に修飾を加えて薬理効果、薬物動態、溶解性等について医薬品としての適性を備えた化合物を創製し、開発に進めます。 |
<本件お問い合わせ先>
独立行政法人 科学技術振興機構
産学連携事業本部 技術展開部 新規事業創出課
松本、横田、粂田(電話03-5214-0016)