研究開発課題名 | 代表者氏名 | 所属機関・役職 |
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重点公募テーマ「多種・多様なコンポーネントを連携・協調させ、新たなサービスの創生を可能とするサービスプラットフォームの構築」注1) | ||
Synergic Mobilityの創出 | 河口 信夫 | 名古屋大学 未来社会創造機構 教授 |
シェアード・シティ・プラットフォームの構築 | 竹内 雄一郎 | 株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 アソシエイトリサーチャー |
機械・人間知とサイバー・物理世界の漸進融合プラットフォーム | 田野 俊一 | 電気通信大学 大学院 情報理工学研究科 教授・研究科長 |
構想駆動型社会システムマネジメントの確立 | 西村 秀和 | 慶應義塾大学 大学院システムデザイン・マネジメント研究科 教授 |
超スマートシティ・サービスマネジメント・ プラットフォームの構築 | 林 泰弘 | 早稲田大学 理工学術院 教授 |
データ中心で異種システムを連携させるサービス基盤の構築 | 松塚 貴英 | 富士通株式会社 デジタルビジネス プラットフォーム事業本部 シニアマネージャ |
注1) 探索研究実施期間:原則1年半、探索研究開発費総額 原則1,000~3,000万円(間接経費込)
本重点公募テーマでは「システム連携」「サービスプラットフォームの構築」を主な狙いとしましたが、76件の応募のうち、この技術課題に正面から取り組もうとする提案は多くありませんでした。一方で、具体的な出口を想定したアプリケーションやサービスの提案は多数集まりましたが、横展開を含めたプラットフォームの視点が十分とはいえませんでした。また、プラットフォームを担う企業からの提案も少数でした。これらは、本重点公募テーマにおける「プラットフォーム」の考え方が十分に理解していただけなかったことが一因と考えており、次回の公募に向けて、本テーマの趣旨の理解を促すための活動を検討します。
そのような中、今回の選考ではプラットフォームやアーキテクチャの研究プロジェクト3件と、アプリケーション・サービスを中心にとらえた研究プロジェクト3件を、バランスを考えて採択しました。その中には企業からの提案が2件含まれており、それ以外のチームも共同研究機関に民間企業を含むなど、いずれも社会実装に向けた意識を持っています。また、探索研究期間中はチーム間の連携可能性を含めた議論を活性化し、領域全体としてプラットフォーム実現に向けた取り組みを強化していきたいと考えています。
今回の選考では要素技術的な提案は採択に至りませんでしたが、特にプラットフォームのセキュリティ面の検討は不可欠であり、今後の公募ではセキュリティ分野からの提案も期待します。
研究開発課題名 | 代表者氏名 | 所属機関・役職 |
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重点公募テーマ「新たな資源循環サイクルを可能とするものづくりプロセスの革新」注2) | ||
製品ライフサイクル管理とそれを支える革新的解体技術開発による統合循環生産システムの構築 | 所 千晴 | 早稲田大学 理工学術院 教授 |
Pイノベーション創出技術開発 | 長坂 徹也 | 東北大学 工学研究科 副研究科長・教授 |
リマンを柱とする広域マルチバリュー循環の構築 | 松本 光崇 | 産業技術総合研究所 製造技術研究部門 主任研究員 |
革新的ハロゲン循環による材料の高資源化プロセスの開発 | 吉岡 敏明 | 東北大学 大学院環境科学研究科 教授 |
重点公募テーマ「労働人口減少を克服する“社会活動寿命”の延伸と人の生産性を高める『知』の 拡張の実現 」注3) | ||
学習アナリティクス基盤の拡張による多世代共創及び社会活動支援 | 木實 新一 | 九州大学 基幹教育院 教授 |
認知科学と制御工学の融合による知能化機械と人間の共生 | 鈴木 達也 | 名古屋大学 大学院工学研究科 機械システム工学専攻 教授 |
「知」の循環と拡張を加速する対話空間のメカニズムデザイン | 谷口 忠大 | 立命館大学 情報理工学部 教授 |
注2) 探索研究実施期間:最大1年半、探索研究開発費総額 原則4,000万円上限(間接経費込)
注3) 探索研究実施期間:最大2年半、探索研究開発費総額 原則4,000~6,000万円(間接経費込)
本領域では、重点公募テーマの目標との合致性を大前提に、高い実現可能性や大きなインパクトが期待されるもの、萌芽的でリスクもあるが飛躍する可能性がある提案を積極的に評価しました。131件もの応募をいただきましたが、社会・産業の実際のニーズを踏まえた将来ビジョンと、それを実現するための明確かつ挑戦的な研究開発の両方を兼ね備えた提案はあまり多くありませんでした。公募期間が短かったこともあり、各テーマのねらいや期待が十分にお伝えできていなかったことが課題であったと思います。
選考の結果、「資源循環」のテーマでは、循環型社会形成に資する新しいサイクル実現に重点を置く2件、インパクトのある新規要素技術創出に重点を置く2件を採択しました。「知の拡張」のテーマについては、未来社会に向けて新しい労働力や知的生産力の創出に資する知の拡張を的確に捉え、最終的なサービスのビジョンが示された3件を選定しました。
この2つのテーマは持続可能な社会にとって重要であることから、各テーマの趣旨を明確に発信するとともに、「持続可能な社会の実現」のための提案を今後も広く求めます。大学等の研究機関のみならず社会・企業等からの多彩なニーズやシーズ、解決のためのアイデアをつなぐオープンな運営・活動を展開していきたいと考えておりますので、皆様の積極的な参画をお願いいたします。
研究開発課題名 | 代表者氏名 | 所属機関・役職 |
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重点公募テーマ「ひとりひとりに届く危機対応ナビゲーターの構築」注4) | ||
マルチビュー画像計測技術によるエネルギー輸送インフラの安全・安心運用の実現 | 河野 行雄 | 東京工業大学 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所 准教授 |
スーパーセキュリティゲートの実現 | 木村 建次郎 | 神戸大学 大学院理学研究科 准教授 |
情報基盤と連携したリアルタイム救急・災害時支援システム | 阪本 雄一郎 | 佐賀大学 救急医学講座 教授 |
個人及びグループの属性に適応する群集制御 | 西成 活裕 | 東京大学 先端科学技術研究センター 教授 |
都市浸水リスクのリアルタイム予測・管理制御 | 古米 弘明 | 東京大学 工学系研究科 教授 |
重点公募テーマ「ヒューメインなサービスインダストリーの創出」注5) | ||
健康寿命延伸のためのパーソナルライフケアICT基盤の創出 | 天野 良彦 | 信州大学 学術研究院(工学系) 教授 |
絶好調維持システムを目指した先制治療 「ナノ・セラノスティクス」の実現 | 一柳 優子 | 横浜国立大学 大学院工学研究院 准教授 |
健康モデル化によるスマートインタラクティブサービス | 貝原 俊也 | 神戸大学 大学院システム情報学研究科 教授 |
セルフデータ収集によるヘルス・セントリック社会の創出 | 洪 繁 | 慶應義塾大学 医学部 准教授 |
半導体バイオセンサ技術によるヘルスモニタリングサービスの実現 | 坂田 利弥 | 東京大学 大学院工学系研究科 准教授 |
会話の空気を読み取るAIによるフワキラ空間の構築 | 坂本 真樹 | 電気通信大学 大学院情報理工学研究科 教授 |
香りの機能拡張によるヒューメインな社会の実現 | 東原 和成 | 東京大学 大学院農学生命科学研究科 教授 |
ヒューマン嗅覚インタフェースによる香りの再現とその応用 | 中本 高道 | 東京工業大学 科学技術創成研究院 教授 |
スマート健康パッチによる水分マネジメント | 西澤 松彦 | 東北大学 工学研究科 教授 |
自発・自律型エビデンスに基づくBathing Navigationの実現 | 早坂 信哉 | 東京都市大学 人間科学部児童学科 教授 |
認知症ゼロ社会の実現へ向けた未病検診サービス | 村瀬 研也 | 大阪大学 大学院医学系研究科保健学専攻 教授 |
新健康指標PAMs:アルクダケで健康管理 | 八木 康史 | 大阪大学 産業科学研究所 理事・副学長 |
注4) 探索研究実施期間:最大2年半以内、探索研究開発費総額 原則6,000万円上限(間接経費込)
注5) 探索研究実施期間:最大1年半以内、探索研究開発費総額 原則2,000万円上限(間接経費込)
本領域では、募集説明会の際にも皆様にお伝えした通り、いずれの重点公募テーマにおいても「ハイインパクト」、すなわち社会にどれだけ大きな価値が与えられるかを重視して選考を実施しました。選考にはアカデミアと産業界の有識者にご協力を求め、技術的難易度や実現可能性および産業界の観点(POCの引き取り可能性)を総合的に判断し、採否を決定しました。
今回は企業に所属する研究者が代表を務める提案は採択には至りませんでしたが、採択された研究開発課題17件の共同研究機関として、のべ11社の企業が参画予定です。さらに、研究開発の推進にあたっては、本格研究に向けてプロジェクトを遂行できるよう、大学や企業を引き合わせる場を提供する等、JSTも支援していきたいと考えています。
今後の領域運営および選考にあたっては、「安全・安心」というキーワードから連想される「現在明らかになっているネガティブな要因を低減・排除する」というイメージにとらわれず、ポジティブな要因を加えることで、快適さ、喜びを追求する提案も積極的に求めていきます。
研究開発課題名 | 代表者氏名 | 所属機関・役職 |
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重点公募テーマ「『ゲームチェンジングテクノロジー』による低炭素社会の実現」注6) | ||
100MHzスイッチング電源用磁心材料開発 | 佐藤 敏郎 | 信州大学 学術研究院 工学系 教授 |
二酸化炭素からの新しいGas-to-Liquid触媒技術 | 椿 範立 | 富山大学 大学院理工学研究部(工学) 教授 |
CO2分離機能とエイジング耐性を兼備した多孔性複合膜 | Sivaniah Easan | 京都大学 高等研究院 教授 |
低温改質によるC1化学の低エネルギー化 | 阿尻 雅文 | 東北大学 未来科学技術共同研究センター 教授 |
電場中での低温オンデマンド省エネルギーアンモニア合成 | 関根 泰 | 早稲田大学 理工学術院 教授 |
酸素・窒素を活用したチタン積層造形体の高強靱化 | 近藤 勝義 | 大阪大学 接合科学研究所 教授 |
凍結乾燥POEM法による積層造形用合金粉末の開発 | 野村 直之 | 東北大学 大学院工学研究科 准教授 |
実用的中温動作型水素膜燃料電池の開発 | 青木 芳尚 | 北海道大学 大学院工学研究院 准教授 |
アニオン電池の社会実装を志向した要素技術の開発 | 津田 哲哉 | 大阪大学 大学院工学研究科 准教授 |
SnからなるPbフリーペロブスカイト太陽電池の開発 | 早瀬 修二 | 九州工業大学 大学院生命体工学研究科 教授 |
超薄型結晶Si系トリプル接合太陽電池 | 小長井 誠 | 東京都市大学 総合研究所 特任教授 |
中分子膜輸送強化による発酵技術改革 | 柘植 丈治 | 東京工業大学 物質理工学院 准教授 |
多段階ボトムアップ式構造制御によるセルロースナノファイバーの高度特性発現 | 齋藤 継之 | 東京大学 大学院農学生命研究科 准教授 |
ミルキング法によるバイオ燃料生産の高効率化と安定化 | 小俣 達男 | 名古屋大学 大学院生命農学研究科 教授 |
弱酸性化海水を用いた微細藻類培養系及び利用系の構築 | 宮城島 進也 | 大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所 教授 |
雑種強勢の原理解明によるバイオマス技術革新 | 佐塚 隆志 | 名古屋大学 生物機能開発利用研究センター 准教授 |
空気を肥料とする窒素固定植物の創出 | 藤田 祐一 | 名古屋大学 大学院生命農学研究科 教授 |
細胞表層工学と代謝工学を用いたPEP蓄積シャーシ株の創製 | 田中 勉 | 神戸大学 大学院工学研究科 准教授 |
光駆動ATP再生系によるVmax細胞の創製 | 原 清敬 | 静岡県立大学 食品栄養科学部 准教授 |
複合微生物群集の合理的設計による有機性廃棄物の二次資源化 | 本田 孝祐 | 大阪大学 大学院工学研究科 准教授 |
新規マイクロカプセル化蓄熱材による低炭素社会の実現 | 鈴木 洋 | 神戸大学 大学院工学研究科 教授 |
電気自動車用への走行中直接給電が拓く未来社会 | 藤本 博志 | 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 准教授 |
注6) 探索研究実施期間:最大4年半、探索研究開発費総額 原則1.8億円上限(間接経費込)
本研究領域は、2050年に想定されるサービス需要を満足しつつCO2を抜本的に削減する「ゲームチェンジングテクノロジー」を創出し、社会実装につなげることで、低炭素社会の実現に貢献することを目指します。
本領域では、低炭素社会の実現に向けて解決しなければならない技術課題を「ボトルネック課題」として具体的に提示することで、専門の研究者のみならず、異分野の研究者が持つこれまでとは異なった視点や手段による全く新しい提案を誘導する、という取り組みを行いました。その結果、277件の研究提案が寄せられました。これらの提案について、ゲーム・チェンジング性(大学等のアカデミアが実施すべき革新的研究か)、2050年の低炭素社会の実現にどれだけ貢献するか(地球規模でのCO2排出削減に大きく貢献し得るか)、という観点から厳正かつ公平に書類選考を行い、84件に対して面接を実施し、最終的に22件のチャレンジングな研究提案を採択いたしました。
結果として、比較的若い代表者も多く採択されました(採択課題22課題中、2課題が30代の代表者、10課題が40代の代表者)。低炭素社会の実現に向け、若い研究者の意欲的な取り組みと今後の可能性に強く期待します。
また、今回不採択とせざるを得なかった提案の中にも、独自性の高いアイデアに基づく優れた提案も数多くありました。しかしながら、技術が社会実装された場合の社会・経済的なインパクトが十分に書ききれていないなどの理由により、採択には至りませんでした。不採択となった提案者には、今回の不採択理由を踏まえて提案を練り直し、是非来年度に再応募していただきたいと思います。
研究開発課題名 | 代表者氏名 | 所属機関・役職 |
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技術テーマ「粒子加速器の革新的な小型化及び高エネルギー化につながるレーザープラズマ加速技術」注7) | ||
レーザー駆動による量子ビーム加速器の開発と実証 | 熊谷 教孝 | 公益財団法人 高輝度光科学研究センター 名誉フェロー |
技術テーマ「エネルギー損失の革新的な低減化につながる高温超電導線材接合技術」注8) | ||
高温超電導線材接合技術の超高磁場NMRと鉄道き電線への社会実装 | 前田 秀明 | 国立研究開発法人 理化学研究所 ライフサイエンス技術基盤研究センター 施設長 |
技術テーマ「自己位置推定機器の革新的な高精度化及び小型化につながる量子慣性センサー技術」注8) | ||
冷却原子・イオンを用いた高性能ジャイロスコープの開発 | 上妻 幹旺 | 東京工業大学 理学院物理学系 教授 |
注7) 研究実施期間:10年間上限、研究開発費総額60億円上限(間接経費込)
注8) 研究実施期間:10年間上限、研究開発費総額40億円上限(間接経費込)
各技術テーマの提案は、応募件数が少ないながらも我が国で最先端の研究グループからの提案であり、いずれも学術的に大変優れていました。企業の参入を積極的に誘導する構想を持っていることを確認し、研究開発代表者であるPMのマネジメント能力に期待して採択課題を選出しました。本事業はハイリスクな研究開発を進めるものであることから、柔軟な運営と出口を見据えたマネジメントを心がけて、採択されたPMと連携して進めて参りたいと考えています。