JST(理事長 中村 道治)は、e-ASIA共同研究プログラム(略称:e-ASIA JRP)注1)第3回公募において、9カ国10機関注2)による「感染症分野」で共同研究課題の募集を行い、新規課題として1件を決定し、平成27年2月19日に科学技術振興機構報 第1084号として公表しました(URL:https://www.jst.go.jp/pr/info/info1084/index.html)。このたびさらに3件の新規課題を決定しました。
(1)共同研究課題名:「アジアにおける節足動物媒介新興感染症制御手法構築のための総合研究」
日本側研究代表者 | : | 前田 健 教授(山口大学 共同獣医学部) |
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米国側研究代表者 | : | 海老原 秀喜 室長(米国立衛生研究所国立アレルギー・感染症研究所 ウイルス学研究部・分子ウイルス学・病原体-宿主相互作用研究室) |
インドネシア側研究代表者 | : | スリハディ・アグンプリヨノ 学部長(ボゴール農業大学 獣医学部) |
タイ側研究代表者 | : | オラウット・レルカムムアイチョーク 学部長(カセサート大学 獣医科学部) |
フィリピン側研究代表者 | : | エマニュエル・バルタザーレ 教授(中央ミンダナオ大学 獣医学部) |
本研究は、日本・フィリピン・インドネシア・タイにおけるダニや蚊が運ぶ感染症を包括的に調査することによって、アジアにおける感染症の対策・施策に貢献することを目的とする。
(2)共同研究課題名:「メコン川流域における肝吸虫患者のQOL維持とがん予防に資する革新的診断システムの開発と普及」
日本側研究代表者 | : | 成松 久 招聘研究員(産業技術総合研究所 糖鎖創薬技術研究センター) |
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タイ側研究代表者 | : | ソピット・ワンカーン 教授(コンケン大学 医学部) |
ラオス側研究代表者 | : | ボウンソム・サモントリ 教授(保健科学大学 基礎科学部) |
本研究は、日本のお家芸である糖鎖科学に基づく診断薬開発プラットフォームを活用し、タイ・ラオスで1,000万人以上いるといわれる肝吸虫感染患者の胆管がん予防のための診断システムを現地研究者と共同開発し、供給することを目指します。
(3)共同研究課題名:「マラリアワクチン候補分子トランスアミダーゼ様分子のヒトマラリアでの抗原性および遺伝子多様性の解析」
日本側研究代表者 | : | 平山 謙二 教授(長崎大学 熱帯医学研究所) |
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ミャンマー側研究代表者 | : | ティンモン・フレイン センター長(医学研究センター) |
フィリピン側研究代表者 | : | マリオ・ジズ 分野主任(熱帯医学研究所 免疫学分野) |
本研究は、日本のワクチン開発研究力とフィリピンおよびミャンマーのフィールド研究力を連結することにより、アジア地域で流行するマラリア制圧のためのワクチン開発を目指すものです。
今回の共同研究課題の募集では22件の応募がありました。なお、本課題は平成27年度に設立が予定されている日本医療研究開発機構(AMED)注3)に承継され、支援が実施される予定です。