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別紙

平成26年度 新規研究開発領域
「持続可能な多世代共創社会のデザイン」の募集概要

1.「持続可能な多世代共創社会のデザイン」研究開発領域の目標

① 人口減少、少子高齢化、財政縮小などの課題を抱えつつある都市・地域を、環境、社会、経済の各側面から持続可能とするため、これまで有効に活用されてこなかった地域の多様な資源や新技術・適用可能な技術を活用し、環境と調和しながら、子供から高齢者まで年齢、国籍、性別、障害の有無によらず多世代・多様な人々が、就労や社会参画などを通じて地域とのつながりを得て包摂され、創造性を発揮して活躍することができる社会をデザインします。

② ①で掲げた社会をデザインすることを目指し、環境、社会、経済の多面的な価値創出を目指して包括的なアプローチ()による市民視点の実践的な研究開発を実施し、都市・地域への研究開発成果の実装につながる、科学的根拠に基づいた持続可能となるための新たな仕組みを創出します。

その際、研究開発そのものが多世代・多様な人々との共創の取り組みとなるとともに、地域の特性を生かした新たな産業・事業やサービスの創出につなげるために、研究開発段階から社会の関与者たる多様な関係機関(特に地方公共団体)を構成メンバーとする研究開発チームを編成し、成果の利用者たる地域住民からのフィードバックを行う具体的な仕組みを組み込むなどの連携体制を構築します。

③ ①、②により得られた個別の成果が、国内外の他地域で活用されるよう、一般化、体系化を図るとともに、当初から個々のプロジェクト間の連携を図り、最終的に複数の成果を統合し地域に実装する取り組みにつなげます。またその担い手となる関与者が、継続して協働・共創するためのネットワークを構築します。

ここでいう「包括的なアプローチ」とは、都市・地域の全体をとらえ、多面的、多元的な視点で包括的に検討し、単独では機能しにくいものを相互に組み合わせつなげることや課題相互の関連性に着目することなどにより、人と地域の新たな豊かさにつながる多様な価値創出や課題解決を目指した、全体最適を図る手法を指します。

2.募集期間

平成26年7月7日(月)~平成26年9月1日(月)午前12時(正午)

3.研究開発プロジェクトおよびプロジェクト企画調査の実施期間・規模

  1. (1)実施期間:原則として3年
  2. (2)研究開発費:数100万円~3,000万円未満/年
    各プロジェクトの内容および採択方針に応じて、柔軟に取り扱います。
  3. (3)採択件数:提案の応募の内容・状況により、柔軟に判断します。

プロジェクト企画調査:研究開発プロジェクトとしての提案のうち、構想として優れてはいるものの実施するためにはさらなる具体化が必要なものについては、半年間(初年度は約4ヵ月)の企画調査として採択することを検討します。

4.対象とする研究開発プロジェクトの要素イメージ

本領域では、プロジェクトの重点的に取り組むべきカテゴリーと要素イメージとして以下のものを想定しています。個別の要素にとどまらず、むしろ複数(2つ以上)をつなぐものや新しいアイデアを加えてシステムとしてデザインすることで多様な課題の解決や新たな価値の創出につながるものを推奨します。また、都市・地域としては、特定の地域のみならず、複数の地域の連携や海外との連携、都市と農村の共存関係をふまえたもの、物理的な空間によらないバーチャルな地域・コミュニティといったものも対象とします。

他方、以下のカテゴリーや要素イメージにとらわれない領域目標の達成に貢献し成果の汎用性の高い提案も歓迎します。

○ 人が孤立化せず出かけたくなる空間の拡大

高齢者、子供および子供を抱える親などの社会的孤立を防止し、活躍できる社会とする必要があります。地域の生活空間を多様な人々が集まりつながる空間とするため、安全・安心で環境に配慮した交通・移動手段や生活空間をICT技術や社会システムと一体的にデザインする研究開発などを行います。

○ 多世代・多様な人々の能力を生かした就労・社会参画の促進

年齢・性別・国籍・障害の有無を問わず多世代・多様な人々の能力を生かせる雇用の場や働き方を創出するとともに、人々の主体的な社会参画を促進することが必要です。個人や社会が抱えるさまざまな制約を克服することを可能とするため、就労をはじめとする多様な社会参画をサポートする技術や社会システムを人々と包摂的にデザインする研究開発などを行います。

○ 人・地域・環境の相互作用を生み出すライフスタイル・行動変容の促進

地域の人々が元気に活躍できる社会を構築する必要があります。生活習慣、運動、食、人と地域、自然とのつながりなどにより人々の健康寿命の延伸のみならず、地域の活性化や環境との調和を促すため、人々のライフスタイルや行動・意識の変容を促進する技術や社会システムをデザインする研究開発などを行います。

○ 有効活用されていない地域資源の発掘と活用

地域に存在するこれまで有効に活用されてこなかったさまざまな資源の発掘と活用が必要です。成熟社会において物質的な豊かさのみならず心の豊かさも満たされる社会を構築するため、文化的・伝統的な資源の価値の見直しと新たな活用、社会的・経済的な資源の保全・再生、地域の宝ともいえる多世代・多様な人財の発掘・育成など、新たな産業・事業やサービスの創出につながる各種資源の発掘・活用方策と有効活用するための技術のデザインなどの研究開発などを行います。

○ 環境と調和した地域の資源・経済の循環

都市・地域を持続可能なものとするため環境と調和した社会を構築するのみならず、地域に存在する各種資源や経済を地域内で循環させる仕組みを構築する必要があります。地域に存在する資源の適正な活用や再生可能なエネルギーの創出などを通じて地域の主体形成と担い手を育成し、資源・経済が循環する地域に密着した産業・事業やサービス創出の仕組みや方法論などの研究開発などを行います。

○ 公的サービスの質を落とさず低コスト化、効率化、リデザイン

厳しい経済状況や少子高齢化の中で公的サービスの質を維持しつつ低コスト化、効率化していくことに加え、公的サービスの在り方自体のとらえ直しが求められます。行政、産業、市民などが協働しICT技術の活用、情報などを共有するシステムなどコモンズの創出などにより、自助・互助・共助・公助の関係性を整理して地域社会をリデザインする研究開発などを行います。

5.募集要項、選考スケジュールなど

下記の社会技術研究開発センターのホームページをご覧ください。

ホームページURL: https://www.jst.go.jp/ristex/

6.応募方法

「府省共通研究管理システム(e-Rad)」により受け付けます。

 府省共通研究管理システム(e-Rad)URL: http://www.e-rad.go.jp/

7.募集説明会

東京および京都にて、下記の通り募集説明会を開催します。

【東京会場】
 日 時 平成26年7月31日(木)10:00~12:00(9:30受付開始)
 会 場 科学技術振興機構 東京本部別館 1階ホール
(東京都千代田区五番町7 K’s五番町)
【京都会場】
 日 時 平成26年8月4日(月)13:30~15:10(13:00受付開始)
 会 場 TKPガーデンシティ京都 7階 橘
(京都府京都市下京区烏丸通七条下る東塩小路町721-1 京都タワーホテル)

※募集説明会の参加申込および詳細は下記ホームページをご覧ください。
https://www.jst.go.jp/ristex/

※募集説明会への参加は、応募への必須条件ではありません。

※説明終了後、個別相談を受け付けます。

8.お問い合わせ先

科学技術振興機構 社会技術研究開発センター 企画運営室
〒102-8666 東京都千代田区四番町5番地3
粂田 真宏(クメタ マサヒロ)、湯口 玲子(ユグチ レイコ)
Tel:03-5214-0133 Fax:03-5214-0140
E-mail: