JSTトッププレス一覧共同発表 > 用語解説

【用語解説】

注1) 量子もつれ(entanglement:エンタングルメント):
 複数の粒子間に量子力学的な相関がある状態。量子もつれ状態にある2つの光子(電子、量子ビットなど)では、片方の状態が決まるともう一方の状態もそれに応じて決まり、その関係は粒子間の距離に依存しないといった特異的な性質である。これを応用した量子計算、量子テレポーテーション、量子暗号などが研究されている。
注2) 空洞共振器:
 電磁場(光子)を閉じ込める容器。クオリティの高い空洞共振器には光の最小単位である光子を1個、2個のレベルで閉じ込めることができる。
注3) 超伝導量子ビット:
 超伝導体を用いて作製された量子二準位系。ここでは、図2左図の拡大図に示す超伝導磁束量子ビットを指す。実際には、ナノメートルオーダの極薄絶縁体をサンドイッチした構造のジョセフソン接合と呼ばれる素子を複数個含んだ超伝導電気回路。
注4) 極低温で測定:
 実験で用いたLC回路の共振周波数は、4.35 GHzであり、これは、温度に換算すると約0.2 Kに相当する。測定は、希釈冷凍機システムを用い0.02 Kの低温で行われた。この温度では、LC回路に共振量子(光子)が熱的に励起される確率は非常に小さいため、LC回路は、基底状態(共振量子の真空)にあると考えられる。
注5) コヒーレンス:
 互いに干渉することができる波動の性質(可干渉性)を示す用語で、ここでは、量子状態が干渉を示す強さを定量的に表わします。一般にコヒーレンスは外部由来のノイズによって時間と共に指数関数的に失われていきます。