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科学技術振興事業団
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新しい光ナノ材料「フォトニック結晶」を用いた新型レーザの開発

 科学技術振興事業団(理事長 沖村 憲樹)の戦略的基礎研究推進事業の研究テーマ「フォトニック結晶による究極の光制御と新機能デバイス」(研究代表者:野田進、京都大学大学院工学研究科教授)で進めている研究において、新しい光ナノ材料「フォトニック結晶」を用いて、従来にない優れた特長をもった(つまり、大面積単一縦横モードでかつ偏光制御された)半導体レーザを開発することに初めて成功した。この研究成果は、京都大学大学院工学研究科の野田教授、ミノルタ株式会社横山研究員らの研究グループによって得られたもので、平成13年8月10日付の米国科学雑誌「サイエンス」で発表される。

 今回、野田教授等は、フォトニック結晶を用いて、従来にない特長をもった新型レーザの実現に初めて成功した。このレーザは、大面積で、完全な単一波長、単一偏光、単一スポットで面発光動作することが可能であり、かつレーザそのものを同一面内に複数個並べること(アレイ化)も可能である。また出力光は非常に狭い拡がり角で出射され、かつまた出力も極めて大きく取ることが可能となり、従来にない新しいレーザの実現と言える。このレーザは、通信、情報処理、環境、加工をはじめ、様々な幅広い分野に応用可能である。

 試作したフォトニック結晶レーザは、0.4ミクロン周期の微細な孔を正方格子配列に並べたフォトニック結晶と呼ばれる構造を形成したインジウム・リンウェハー(図1ウェハーA)と、インジウム・ガリウム・砒素・リンからなる発光材料を内蔵したウェハー(図1ウェハーB)をウェハー融着技術と呼ばれる方法にて一体化することにより実現した。

 フォトニック結晶とは、一般に光の波長と同程度の周期的な屈折率分布をもつ新しい光材料を意味しており、光の伝播や発生を自在に制御出来る新しい光ナノ材料として近年大きな注目を集めている。
 野田教授等は、これまでにも、独自のナノ加工技術を用いて結晶そのものの開発(2000年7月、米科学誌サイエンスに発表)を始め、それらの結晶を用いて、ナノサイズの穴に光を捕獲することなどにも成功(2000年10月英科学誌ネイチャーに発表)しており、様々な光制御の可能性を実証していた。

本件問い合わせ先:

(研究内容について)
   野田 進(のだ すすむ)
   京都大学大学院工学研究科
   〒606-8501 京都市左京区吉田本町
   TEL: 075-753-5297 or 5298
   FAX: 075-751-1576

(事業について)
   小原 英雄(おはら ひでお)
   科学技術振興事業団 戦略的創造事業本部
         研究推進部 戦略研究課 課長
   〒332-0012 埼玉県川口市本町4−1−8
   TEL: 048-226-5635
   FAX: 048-226-1164

以上


This page updated on August 10, 2001

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