原子力システム研究開発事業
目次 → III. 募集の実施
平成17年度募集要項

III. 募集の実施

1.事業の要件

 本事業においては、研究開発課題を実施するために必要な施設、人員、技術等を備えた研究代表者(III.2.参照)が所属する機関(受託者)と文部科学省が単年度ごとに委託契約を締結し、受託者が文部科学省に代わって研究開発を実施することになります。このため、研究開発課題を提案した研究代表者の実施する研究開発に対する財政援助の作用は持たないことに留意して下さい。
(1)募集区分、研究開発期間及び研究開発経費等
1 革新技術創出型研究開発
・ 研究開発期間:原則3年
・ 研究開発に要する経費:1件当たり、年間1.5億円を上限
2 若手対象型研究開発
・ 研究開発期間:3年以内
・ 研究開発に要する経費:1件当たり、年間1千万円を上限
・ 年齢:40歳以下(平成18年4月1日現在)
上記、研究開発に要する経費とは、研究開発に係る直接経費とその30%を上限とする間接経費を示します。

(2)採択予定数
1 革新技術創出型研究開発 10件程度
2 若手対象型研究開発    20件程度

(3)募集及び採択に関する制限
1 対象外となる提案について
 以下に示す研究開発課題の提案は募集の対象としません。
・ 単に既成の機械装置の購入を目的とする提案
・ 他の経費で措置されるのがふさわしい機械装置等の調達に必要な経費を、本事業の直接経費により賄うことを想定している提案
2 重複提案の制限・過度の集中の排除について
 研究代表者が以下に該当する場合は、審査の対象から除外され、採択の決定が取り消されますので、ご注意下さい。
・ 研究代表者について、同一の研究開発課題名または内容で、既に国または独立行政法人の競争的資金制度等(科学研究費補助金、戦略的創造研究推進事業等、各府省の競争的研究資金制度等)による助成を受けている場合、または採択が決定している場合。
なお、申請段階(採択が決定していない段階)において他の競争的資金制度等へ提案することを制限するものではありませんが、その採否の結果については、判明次第、原子力業務室に報告して下さい。他制度における採択結果によっては、提案課題が審査の対象から除外されること等もありますので、ご留意下さい。また、他制度の採否について虚偽の申告があった場合、採択を取り消すことがあります。

 研究代表者以外の提案課題に参画する研究者が以下に該当する場合は、当該研究者が実施予定の研究等については、本事業では実施できなくなる場合がありますので、ご注意下さい。
・ 研究代表者以外の研究開発の実施者について、同一の研究開発課題名または内容で、既に国または独立行政法人の競争的資金制度等による助成を受けている場合、または採択が決定している場合。
なお、申請段階(採択が決定していない段階)において他の競争的資金制度等へ提案することを制限するものではありませんが、その採否の結果については、判明次第、原子力業務室に報告して下さい。他制度における採択結果によっては、提案課題が審査の対象から除外されること等もありますので、ご留意下さい。また、他制度の採否について虚偽の申告があった場合、採択を取り消すことがあります。

 既に国または独立行政法人の競争的資金制度等を活用して実施している研究等とは内容が異なる提案課題の研究代表者または研究開発の実施者となる場合は、上記の重複提案の制限の対象とはなりませんが、審査においてエフォート(様式6(29頁参照))等を考慮することとなりますので、ご留意下さい。
 このため、提案書類の「国による他の事業等の実施等(様式10(33頁参照))」については、記載漏れ等がないよう十分確認して下さい。加えて、提案書類の提出後に、他の制度に申請を行った場合、或いは、他の制度における採否の結果が判明した場合等、記載内容に変更が生じた場合は、遅滞なく原子力業務室に報告して下さい。他制度の採否について虚偽の報告があった場合、採択を取り消すことがありますので、あらかじめご了承願います。
 なお、提案内容のうち、上記のような不合理な重複または過度の集中の排除のための調査に必要な範囲において国または独立行政法人の競争的資金制度等の担当者(独立行政法人を含む。)に情報提供を行うことがありますので、あらかじめご了承下さい。また、他の競争的資金制度等(独立行政法人の事業を含む。)において上記と同趣旨の重複申請等に係る調査が行われる場合、必要に応じて、提案内容のうち必要な範囲において当該制度の担当者に情報提供を行うこともありますので、こちらもあらかじめご了承下さい。
 

2.応募対象者の要件

自ら研究開発を実施する以下に示す国内の大学、研究開発機関、企業等に所属する職員、またはこれらの機関で構成するチーム(以下「研究チーム」という。)とします。
 ・ 大学及び大学共同利用機関法人
 ・ 国公立試験研究機関
 ・ 独立行政法人、特殊法人及び認可法人
 ・ 民法第三十四条により設立された法人
 ・ 民間企業(法人格を有する者)
 ・ 特定非営利活動促進法第十条第一項の規定により認証を受けた特定非営利活動法人
文部科学省との委託契約は、これら国内の大学、研究開発機関、企業等が行う研究開発に係る費用のみを対象としますが、その一部を国外の研究開発機関等が請負うことは可(ただし、研究開発成果は授受できない)とします。
なお、応募から研究開発終了に至るまでの間に資格の喪失、外国出張その他の理由により、研究開発の実施者としての責任を果たせなくなることが見込まれる者は、研究開発の実施者となることを避けて下さい。また、委託契約の履行能力を確認するため、審査時に、機関の営む主な事業内容、資産及び負債等財務に関する資料等の提出を求めることがあります。
(2)研究代表者の指定
研究開発課題における代表者(以下「研究代表者」という。)を指定して下さい。
若手対象型研究開発のみ、研究代表者の年齢を、平成18年4月1日現在で40歳以下とします。若手対象型研究開発は、研究代表者単独で研究開発を実施することを原則としますが、研究チームを構成する場合には、40歳以下の研究者のみで構成することを基本とします。
本事業においては、一人の研究代表者が複数の研究開発課題の研究代表者となって、同時に研究開発を実施することはできません。ただし、研究代表者が他の研究開発課題における研究チーム内において研究開発の実施者となることは可能です。

(3)事務連絡担当者の指定
JSTとの事務連絡を速やかに行うことができ、かつ常に研究代表者と連絡をとることができる担当者(以下「事務連絡担当者」という。)を指定して下さい。なお、研究代表者が事務連絡担当者を兼ねることはできません。

(4)研究開発課題に関する経費の不正な使用等を行った研究開発の実施者に対する申請及び参加資格制限
本事業における研究開発課題実施において、研究開発課題に関する経費を不正に使用した場合(偽り、その他不正の手段による受給を含む。以下「不正使用等」という。)、不正使用等を行った研究開発の実施者※1については、その旨を公表するとともに、以下のとおり、一定期間、本事業への申請及び参加※2を認めないこととします。
※1 研究代表者であることに拘らず不正使用等を行った研究開発の実施者(再委託先を含む)を指します。また、不正使用等の共謀についても対象となります。
※2 「申請及び参加」とは、新規研究開発課題の提案、応募、申請を行うこと、また研究チーム内の研究開発の実施者として新たに研究に参加することを指します。従って、申請及び参加資格の制限の適用にあたっては、進行中の研究開発課題(継続課題)への参加までは制限しません。
不正使用等の内容 申請及び参加が制限される期間
単純な事務処理の誤り なし
不正使用(本事業による業務以外の用途への使用がない場合) 2年
不正使用(本事業による業務以外の用途への使用がある場合)
<例>
・ 本事業による業務に関連する研究等の遂行に使用(2年)
・ 本事業による業務とは直接関係のない研究等の用途に使用(3年)
・ 研究等に関連しない用途に使用(4年)
・ 虚偽の請求に基づく行為により現金を支出(4年)
・ 個人の利益を得るための私的流用(5年)
2〜5年
(具体的期間は、程度に応じて個々に判断される。)
不正な行為による受給
<例>
・ 提案書類における虚偽申告
5年
 また、文部科学省または文部科学省所管の独立行政法人が運用する競争的研究資金制度(以下「文部科学省関連の競争的研究資金制度」という。)、文部科学省以外の府省またはこれらが所管する独立行政法人が運用する競争的研究資金制度(以下「文部科学省関連以外の競争的研究資金制度」という。)のいずれかにおいて、不正使用等当該制度の趣旨に反する不正行為が行われた場合、当該制度において事業への参画が制限される期間と同じ期間、本事業への新たな申請及び参加が制限されます。

(文部科学省関連の競争的研究資金制度)
○ 科学研究費補助金
○ 科学技術振興調整費
○ 戦略的創造研究推進事業(社会技術開発研究事業(公募型)を含む)
○ 研究拠点形成費等補助金(21世紀COEプログラム)
○ キーテクノロジー研究開発の推進
 −社会のニーズを踏まえたライフサイエンス分野の研究開発
 −次世代IT基盤構築のための研究開発
 −ナノテクノロジー・材料を中心とした融合新興分野研究開発
○ 地球観測システム構築推進プラン
○ 先端計測分析技術・機器開発事業
○ 独創的革新技術開発研究提案公募制度/革新技術開発研究事業
○ 独創的シーズ展開事業
○ 重点地域研究開発推進事業
○ 地域結集型共同研究開発事業
○ その他参画制限が適用されている期間に新たに開始される制度
(文部科学省関連以外の競争的研究資金制度)
○ 食品健康影響評価研究に必要な経費(内閣府)
○ 沖縄産学官共同研究の推進(内閣府)
○ 戦略的情報通信研究開発推進制度(総務省)
○ 情報通信分野における基礎研究推進制度(総務省)
○ 新たな通信・放送事業分野開拓のための先進的技術開発支援(総務省)
○ 民間基盤技術研究促進制度(総務省)
○ 消防防災科学技術研究開発制度(総務省)
○ 厚生労働科学研究費補助金(厚生労働省)
○ 保健医療分野における基礎研究推進事業(厚生労働省)
○ 新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業(農林水産省)
○ 生物系産業創出のための異分野融合研究支援事業(農林水産省)
○ 先端技術を活用した農林水産研究高度化事業(農林水産省)
○ 農林水産・食品分野における民間研究助成(農林水産省)
○ 産業技術研究助成事業(経済産業省)
○ 大学発事業創出実用化研究開発事業(経済産業省)
○ 石油・天然ガス開発・利用促進型事業(経済産業省)
○ 地域新生コンソーシアム研究開発事業(経済産業省)
○ 革新的実用原子力技術開発事業(経済産業省)
○ 運輸分野における基礎的研究推進制度(国土交通省)
○ 建設技術研究開発助成制度(国土交通省)
○ 環境技術開発等推進費(環境省)
○ 廃棄物処理等科学研究費補助金(環境省)
○ 地球環境研究総合推進費(環境省)
○ 地球温暖化対策技術開発事業(環境省)

 なお、申請等資格制限の取扱い及び対象制度が変更になった場合は適宣、文部科学省及びJSTのホームページ等でお知らせいたします。

3.研究開発課題の審査

 本事業では、プログラムディレクター(PD)及びプログラムオフィサー(PO)を中心とした、審査から課題管理、評価までの一貫したマネジメント体制の構築を図っており、外部有識者から構成される審査委員会での審査結果を踏まえ、PD及びPOが採択課題候補案を取りまとめ、これをもとに採択課題を選定することとしています。課題管理についても、PO等が必要により進捗状況を把握し、必要に応じ助言を行う等、適切な課題管理に努めていきます。
(1)審査方法
審査委員会における審査は、外部からの影響を排除し、応募された研究開発課題に含まれるノウハウ等の情報管理を行う観点から非公開で行います。
具体的には、応募された研究開発課題ごとに、「原子力政策大綱」に示された研究開発の方向性との整合性、電源開発促進対策特別会計(電源利用勘定)の要件を満たすこと等を確認するとともに、(3)に定める審査基準に基づいて、審査委員会による書類審査及び研究代表者等に対するヒアリング審査を実施します。
ヒアリング審査は、書類審査によって選定された研究開発課題のみ実施します。また、必要に応じて追加資料の提出を求める場合があります。

(2)選定結果の通知
JSTから研究代表者及び事務連絡担当者に対して書類審査結果(ヒアリング審査実施の有無)を連絡します。また、研究代表者に対して審査結果(採択の可否)の通知書の送付を行います。
なお、審査の途中経過等に関する問い合わせは一切受け付けません。
また、採択にあたっては、審査委員会が研究開発課題の内容、経費、実施体制等に関し、条件を付すことがあります。

(3)審査基準
提案された研究開発課題は、以下に示す審査基準に基づき、総合的に審査を行います。
【基盤研究開発分野】
(革新技術創出型研究開発)
1 研究開発課題が、想定した革新的原子力システムと適合していること。また、研究開発目標が、対象とする技術に関する最近の動向や問題点を正確に把握し、社会的ニーズを踏まえて適切に設定されていること。(研究開発目標)
2 資源の有効利用、環境負荷低減、安全性や経済性の向上、核拡散抵抗性の向上に大きく寄与する技術的ブレークスルーをもたらす革新的な技術であること。(革新性)
3 対象とする技術が原理的に妥当であり、工学的に実現可能な見通しが得られていること。(技術的実現性)
4 我が国の革新的原子力システム研究開発にとって極めて有用な知見を生み出す可能性が高く、さらに、科学技術の発展の観点から、他の技術分野等への波及効果の高い研究開発であること。(研究開発効果)
5 研究開発を実施するために必要十分な人材、研究開発体制が確保され、真に必要とする費用が具体的かつ合理的に策定されており、研究開発が適切な実施規模であること、並びに、研究開発目標を着実に達成しうる実施方法やスケジュール等が設定されていること。(実施能力、体制、計画)

(若手対象型研究開発)
1 研究開発課題が、想定した革新的原子力システムと適合していること。また、研究開発目標が適切に設定されており、研究開発成果の位置づけ、成果に基づく将来の研究開発課題が明確であること。(研究開発目標)
2 独創性に富み、革新的原子力システムの実現に寄与する可能性が高い先端的研究開発であること。(独創性)
3 対象とする技術が原理的に妥当であり、研究開発手法が妥当であること。(技術的実現性)
4 我が国の革新的原子力システム研究開発にとって極めて有用な知見を生み出す可能性が高く、さらに、科学技術の発展の観点から、他の技術分野等への波及効果の高い研究開発であること。(研究開発効果)
5 研究代表者が研究開発を実施するために必要な能力を有しており、課題を解決するための実施方法やスケジュール、費用が具体的かつ合理的に策定されており、研究開発目標を着実に達成しうる計画であること。研究チームを構成する場合、人材育成の観点から、適切な体制であること。(実施能力、体制、計画)

4.研究開発課題の評価

(1)事後評価
全ての研究開発課題は、研究開発期間終了後すみやかに、事後評価を実施します。

(2)進捗状況の確認
全ての研究開発課題について、毎年度の研究開発成果報告書等の提出の他に、必要に応じて、進捗状況の説明を求めることがあります。
II. 応募要領← →IV. 委託契約の締結等

Japan Science and Technology Agency
科学技術振興機構 原子力システム研究開発事業 原子力業務室