原子力システム研究開発事業
目次III. 技術開発課題 → 【課題9】晶析技術による効率的ウラン回収システムの開発
平成18年度募集要項― 特別推進分野 ―

III. 技術開発課題

○ 先進湿式法再処理に関する技術開発課題

【課題9】晶析技術による効率的ウラン回収システムの開発
(1)研究開発項目
・晶析装置の開発
・ウラン結晶分離装置の開発
・高濃度溶解液の移送装置の開発
(2)目的
 FSフェーズIIでは、高速増殖炉使用済燃料の溶解液からのウラン回収技術として、プロセス簡素化と経済性向上が期待できる晶析技術を開発している。
 本技術開発課題では、この晶析技術について、実用規模システムの概念構築のため、工学規模システムで、高濃度溶解液(400gHM/L以上)の連続晶析操作に対応した晶析装置、晶析装置より回収されるウラン結晶に付着する溶解液の分離・洗浄を目的とするウラン結晶分離装置、さらに、高濃度溶解液に対する定量供給が可能な移送装置の開発を行い、基本性能の実証を行う。なお、工学規模とは、FSフェーズIIで革新技術の実証のための試験機の容量とされている10kgHM/hとする。
(3)達成目標
 本技術開発課題において期待される成果は以下のとおりである。
・工学規模システム試験装置によるウラン試験により晶析システムの成立性を実証する。
具体的には
− 工学規模の連続晶析装置を開発すること。
− 晶析装置の処理能力と整合したウラン結晶分離装置を開発すること。
− 閉塞を防止し安定定量供給が可能な高濃度溶解液の移送装置を開発すること。
− 各装置単体でのウラン試験及び一連の工学規模試験システムとしてのウラン試験を行い、基本性能を実証すること。
・実用規模(40kgHM/h)の晶析システムの概念構築に資するシステム性能データを取得する。
 本技術開発課題における具体的な開発要件は以下のとおりである。
・連続自動運転及び監視が可能であること。
・晶析装置及び結晶分離装置を合わせて、以下とする。
− ウラン回収率 70%以上
− ウラン結晶の除染係数 100 (代表的な模擬FPにて実証すること)
・各装置は臨界安全性が担保されていること。
・各装置は漏洩防止がなされていること。
・ 溶解液移送装置の溶液保持温度は60℃以上とすること。
(4)前提条件
・対象溶液:先進湿式再処理プラント(200tHM/y)における溶解液(濃度400gHM/L以上)
・実用規模システムの処理能力40kgHM/h(連続処理操作)
・保守方法:マニプレータ及びインセルクレーン等による遠隔保守を前提とする。
(5)関連技術情報
・技術検討書 - (2)燃料サイクルシステム - 第II編4.7.1節、4.8.1節及び4.9.1節
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科学技術振興機構 原子力システム研究開発事業 原子力業務室