原子力システム研究開発事業
目次III. 技術開発課題 → 【課題8】解体・せん断技術の開発
平成18年度募集要項― 特別推進分野 ―

III. 技術開発課題

○ 先進湿式法再処理に関する技術開発課題

【課題8】解体・せん断技術の開発
(1)研究開発項目
・燃料集合体解体システムの開発
・燃料ピン束短尺せん断技術の開発
(2)目的
1 燃料集合体解体システムの開発
 FSフェーズIIでは、高速増殖炉燃料集合体からラッパ管等の構造材を分離除去する等の機能を有する解体技術について、実用規模システムの概念構築を目標として技術開発を行っている。
 本技術開発課題ではこの概念構築のため、工学規模試験装置で模擬燃料集合体(コールド)等を用いた試験を行い、解体システムの基本性能の実証を行う。なお、解体システムは後述のせん断システムと一体化等により両設備全体としての合理化を図る。
2 燃料ピン束短尺せん断技術の開発
 FSフェーズIIでは、解体システムより受け入れた燃料ピン束を高濃度溶解システムで要求される燃料形態にせん断する技術について、実用規模システムの概念構築を目標として技術開発を行っている。
 本技術開発課題では、解体システムからの燃料ピン束に対して、高濃度溶解システムで要求される燃料形態に対応可能なせん断技術である短尺せん断システムの概念構築のため、工学規模試験装置で模擬燃料集合体解体燃料ピン束(コールド)等を用いた試験を行い、短尺せん断技術の基本性能の実証を行う。
(3)達成目標
1 燃料集合体解体システムの開発
 本技術開発課題において期待される成果は以下のとおりである。
・工学規模試験装置による模擬燃料集合体解体試験等にて、一連の解体手順、解体システムの成立性を示す。
・実用規模の解体システムの概念構築に資するシステム性能データを取得する。
 本技術開発課題における具体的な開発要件は以下のとおりである。
・切断不良がなく、燃料ピン損傷の可能性を極力排除(燃料ピン損傷は集合体1体当たり1ピン以下を目安)できる解体手順を考案すること。
・切断方法、ラッパ管等の構造材の分離方法、燃料ピン束のハンドリング方法に関する要素技術開発を実施し、上述の解体手順の各段階及び手順全体としての操作の成立性を実証すること(燃料集合体1体あたり2時間以内を目安)。
2 燃料ピン束短尺せん断技術の開発
 本技術開発課題において期待される成果は以下のとおりである。
・工学規模試験装置による短尺せん断試験にて、短尺せん断技術の成立性を示す。
・実用規模の短尺せん断システムの概念構築に資するシステム性能データを取得する。
 本技術開発課題における具体的な開発要件は以下のとおりである。
・解体システムからの燃料ピン束の受け取りを行うことができ、所定の長さずつ(設定位置±5mmを目安)押し出せるせん断機マガジン構造を開発すること。
・所定の長さで連続的に処理できる短尺せん断技術を開発すること。
・せん断システムの処理能力(溶解槽へのせん断片供給量)は40kgHM/h以上とする。
・せん断片長さは1cm(±5mm)を目安とする。
(4)前提条件
1 想定する実用規模システムにおける対象燃料(実用炉燃料集合体)
・材質  ODS鋼(被覆管)/PNC-FMS鋼(ラッパ管)
この他、形状、寸法等については、下記技術検討書(原子炉プラントシステム)参照
2 発生する廃棄物の取扱い
解体システム、せん断システムから発生する廃棄物は専用容器に回収する。
3 保守方法
マニプレータ及びインセルクレーン等による遠隔保守を前提とする。
(5)関連技術情報
・技術検討書 - (2)燃料サイクルシステム - 第II編4.7.1節、4.8.1節及び4.9.1節
(1)原子炉プラントシステム ‐ 2.1.3節
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科学技術振興機構 原子力システム研究開発事業 原子力業務室