原子力システム研究開発事業
目次III. 技術開発課題 → 【課題4】配管2重化によるナトリウム漏洩対策強化
平成18年度募集要項― 特別推進分野 ―

III. 技術開発課題

○ ナトリウム冷却炉に関する技術開発課題

【課題4】配管2重化によるナトリウム漏洩対策強化
(1)研究開発項目
・高クロム鋼溶接部の破断前漏洩(LBB)評価技術の開発
(2)目的
 配管は、溶接により溶接部が高応力部となることが避けられないため、不安定破壊を防止するためLBB特性を活用した評価基準が必要である。本技術開発課題では、高クロム鋼溶接部のLBB特性を評価するためのデータを取得し、評価基準を構築する。
(3)達成目標
 期待される成果は、高クロム鋼配管の溶接部のLBB成立性を示すため、溶接部の破壊靭性データを取得するとともに、破壊評価法、漏洩量評価法等を提示することである。
 本技術開発課題における具体的な開発要件は以下のとおりである。
1 溶接部の破壊靱性データの取得
高クロム鋼溶接部の破壊靭性データを取得する。ラーソンミラーパラメータなどを用いて設計寿命に相当する時効条件を算出した上で試験片に時効を与え、時効が破壊靭性に及ぼす影響を評価するためのデータも取得する。
2 破壊評価法の開発
高クロム鋼配管の溶接部に適した破壊評価法を提案する。提案した破壊評価法が妥当であることを配管モデル試験等により示す。
3 漏洩量評価法の開発
高クロム鋼配管の溶接部に生じた貫通き裂における冷却材の漏洩量評価法を提案する。提案した評価法が妥当であることを試験により示す。
4 LBB評価技術の開発
高クロム鋼配管の溶接部について、適切な初期欠陥を想定した上で、き裂貫通時のき裂の大きさ、冷却材漏洩量、不安定破壊を生じるき裂の大きさ、その他必要な因子を考慮してLBB成立性を評価する技術を開発する。
(4)前提条件
・ナトリウム温度:
 1次系ホットレグ/コールドレグ:550℃/395℃
 2次系ホットレグ/コールドレグ:520℃/335℃
・材料:Mod.9Cr-1Mo鋼
・溶接仕様:主として狭開先TIG溶接
・配管口径:ホットレグ/コールドレグ:50B/34B×2
・流速:ホットレグ/コールドレグ:約9m/秒/約10m/秒
・ナトリウム漏洩対策:外管を設置
・想定する漏洩検出限界:100g/h
・負荷条件:内圧、熱膨張応力、熱過渡応力(起動停止、手動トリップ)、地震荷重
・プラント寿命:60年
(5)関連技術情報
・技術検討書 - (1)原子炉プラントシステム - 2.2.2.3節
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